Oracle Enterprise Manager 10g新版登場、運用管理もトップダウンでJavaアプリの監視機能を追加

» 2008年02月05日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本オラクルは2月5日、企業情報システム向けの統合運用管理ソフトウェアの新版「Oracle Enterprise Manager 10g Release 4」(OEM R4)を出荷開始したと発表した。OEMはOracle Database向けの運用管理ソフトウェアとして出発したが、10g以降はOSやミドルウェア、アプリケーションを統合的に管理するための機能を相次いで実装してきている。日本オラクルの常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏は、「OEMは隠れたヒット商品で毎年、倍々で伸びている」と話し、日本オラクルの今年度(2007年6月から2008年5月末)にOEM全体で30億円の売り上げを見込むと説明した。

日本オラクルの常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏

 OEM R4では管理できるアプリケーションを従来のE-Business Suite 11i、12i、Siebel CRM 7.8以降に加えて、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionに拡大。アプリケーションの障害を、アプリケーションからミドルウェア、OS、ハードウェアまで貫く形で自動で分析できる「トップダウン・アプローチ」を強化した。三澤氏は「従来の運用管理ソフトウェアはボトムアップ・アプローチ。スタックの下位レイヤからバラバラのツールで障害分析する必要がある」と指摘。対してトップダウン・アプローチは「上位レイヤから見ていく。アプリケーションの視点で障害分析ができ、問題の原因を迅速に究明できる」と話した。

 OEM R4は新機能の「Oracle Application Diagnostics for Java」を実装し、Javaアプリケーションの監視、障害診断も自動で行えるようにした。対応するJavaアプリケーションはJSP、EJB、Servletなどで構築したJ2EE、Webアプリケーション。メモリリーク時の発生原因やパフォーマンス低下の原因、データベースとJavaアプリケーション間のボトルネックの特定などができる。Oracle Application Serverのほかに、BEA WebLogic、IBM WebSphere、JBoss、Tomcatなどのアプリケーションサーバに対応する。これまではOracle Database上のSQLアプリケーションについては障害診断からチューニング、テストまでを自動で行えた。将来的にはJavaアプリケーションの自動チューニングやテストも可能にする計画。

Oracle Enterprise Manager 10g Release 4

 OEM R4はまたパッチの自動適用機能を強化し、Oracle Database、Oracle Application Serverに加えて新たにRed Hat Enterprise LinuxのクローンであるOracle Enterprise Linuxのパッチの自動適用もサポートした。

 価格は管理対象サーバの1プロセッサ当たり37万5000円(税抜)から。

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