BRMS(びーあーるえむえす)情報システム用語事典

business rules management system / ビジネスルール管理システム / ビジネスルールマネジメント・システム

» 2008年03月18日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 業務上の規則や条件、判断基準、経験的な対処パターンをビジネスルールとして定義・登録し、その組み合わせから複雑な業務判断を自動的に行うコンピュータ・システムのこと。ルールベース・システムということもある。

 ルールを格納するナレッジベース(ルールベース)、ルールから判断を導く推論エンジンなどで構成される。原理的にはエキスパートシステムと同じものだといえるが、エキスパートシステムが人間の専門家と同等の高度な知的判断を目指したシステムだったのに対して、BRMSはルールそのものは比較的単純で定型的だが、組み合わせが膨大なために複雑となる判断に用いられる。具体的な適応分野としては、金融業における与信や保険加入の審査、携帯電話料金の複雑な割り引きプランを踏まえた価格算定などがある。

 通常、ビジネスルールは「もし〜ならば、〜とする(しない)」というプロダクションルールの形で定義される。かつてのエキスパートシステムではルールの設定にはナレッジエンジニアと呼ばれる専門家が必要とされていたが、今日のBRMSは自然言語でルールの登録・変更ができ、矛盾したルールを排除する仕組みを持つなど、一般の担当者でも運用できるようになっている。

 いわゆる「業務アプリケーション」も業務ノウハウをソフトウェア化したものといえるが、ビジネスロジックをハードコーディング(プログラミング言語で記述)した場合、何らかの変更が必要になったときにもプログラミングの専門家への依頼が必要となる。これに対してBRMSでは、ビジネスルールをアプリケーションから切り離して管理することによってユーザーによる編集を可能としており、ビジネス上の規則変更や価格改定に機敏に対応できる。

 近年ではBPMシステムと融合して、ビジネスプロセスの自動実行を実現するツールとして注目が高まっている。

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