ウイングアーク テクノロジーズは7月9日、総合化学メーカーの日産化学工業がウイングアークのビジネスインテリジェンス製品「Dr.Sum EA」を採用したと発表した。各事業部の営業担当者が分析に利用しているという。これまで使っていた自社開発のBIやSAP BWと比べて検索パフォーマンスへの評価が高いという。
日産化学工業は2002年4月から基幹業務システムとしてSAP R/3を利用している。SAPのデータウェアハウス(DWH)モジュールであるSAP BWも導入し、経営分析に利用してきた。また、自社開発のBIとして「Nweb」も使ってきたが、蓄積されるデータ量が増大し、パフォーマンス不足が目立ってきたという。そのため、2006年5月から始めたSAP R/3のバージョンアップに合わせて、システム移行の負荷が高く、使わない機能にライセンス料を支払っていたSAP BWと、NwebをDr.Sum EAにリプレースすることを決めた。
Dr.Sum EAを中核に据えたBIは3カ月の開発期間で、2007年1月にカットオーバーした。SAP R/3の更新差分データをETLツールで抽出し、抽出した受注、出荷、請求、入庫のデータをデータベース経由でDr.Sum EAに取り込むようにした。Dr.Sum EAに取り込まれたデータは、Microsoft Excelをインターフェイスにしてドリルダウンなどの分析が可能。Dr.Sum EAには現在、4種類のDWHからそれぞれ約400万件、合計1600万件のデータが登録されているという。
営業担当者はDr.Sum EAを使い、販売実績と入庫実績、購入価格の差異を分析している。これまでのSAP BWではさまざまな検索結果を表示するのに平均で4〜5分かかっていたのがDr.Sum EAでは10秒〜1分に短縮されたという。予算・実績管理を行う予算管理システムでもDr.Sum EAを使っている。
日産化学工業はリスクマネジメント推進部でもDr.Sum EAを活用することを検討していて、7月に評価を始めた。10月には本格運用を始める予定。内部統制対応における業務プロセス監査のために、販売伝票と購買伝票の抽出に活用しているという。
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