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» 2009年03月17日 12時00分 公開

改めて学ぶITキーワード:「情報共有支援ツール」を総復習しよう (1/2)

情報共有は重要な経営課題と認識されている。しかしひと口に情報共有といっても、部門内や部門間、社外協力会社との連携など共有体制はさまざま。真に目的を達成できる体制を築くためには何が必要なのか。情報共有の意義と、その実現をサポートする各種ITツールを振り返ってみたい。

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

情報共有ツール導入の意義

本稿は「“@IT情報マネジメントSpecial ソリューションFLASH”に掲載された「情報共有が、業務を効率化し、新たな発想を生む」(2008年9月)を一部修正のうえ、転載したものです。


 近年、企業内の情報量は増加の一途をたどっている。そうした中、多くの企業において、情報共有への取り組みが重要な経営課題の1つとして認識されているが、情報共有を行う目的、意義とは何なのだろう? まずはそこからあらためて振り返ってみたい。

 1つ目に挙げられるのは業務効率の向上だ。通常、業務に必要な情報は個々人のローカルPCや共有のファイルサーバにファイルの形で保存されていたり、業務ごとに構築されたデータベースなどに保管されていたりする。

 しかし、この状態で単純にファイル量やデータベース数が増えると、必要な情報を探し出すのが次第に困難となり、著しく業務効率が低下する。その点、あらゆる情報を整理してストックしたり、情報に自在にアクセスできる体制があれば、こうしたロスを未然に防ぐことができる。

 2つ目は個人・部門間連携による収益への貢献である。企業内外で業務フロー上の指示・報告を確実に連絡でき、さらに直接関連しない部門同士で情報交換できる体制があれば、販売や生産・在庫状況、営業案件の進ちょくなどを全社やサプライチェーン全体で共有することで、業務プロセスをスムーズに連携させて無駄や機会損失を抑制することが可能となる。あるいは業務を俯瞰(ふかん)的に見たり、多くの人が参加することで、業務改善の新たな発想が得やすくなるという効果も期待できる。

 3つ目はコンプライアンスへの貢献だ。特に日本版SOX法では、財務プロセス上のリスクを事前に経営層が把握したり、業務がルールどおりに行われているかをモニタリングしたりといった、業務を見える化する体制が求められている。情報セキュリティを確保しながら、現場部門の動きを全社的にモニタリングする仕組みの整備が重要なテーマとなる。

情報活用環境を整備して業務を効率化する

 ここでは情報共有のスタイルを3つに分類してみよう。第1は「ワークフロー/情報フロー整備による連携」──すなわち、“横のつながり”や“縦の指示・報告”の強化である。例えば、部門内・部門間で情報共有できていないと、コールセンターへの問い合わせが顧客担当者に伝わらずに素早い対応ができなかったり、営業部門とサポート部門がちぐはぐな応対をして、顧客満足度に響く手痛いミスを招いてしまったりといったことが考えられる。

 ここに適切なITを用いることで、「情報の適切な伝達」だけではなく、「業務の承認」「非効率なフローの発見」「エビデンスとモニタリング」など、数々のメリットを享受できる。

 第2は「ストック情報の有効活用」だ。企業内には多くの情報や知識が存在する。それらは個人の頭の中にあったり、ファイルサーバの見つけにくいフォルダの奥に隠れていたり、ファイルキャビネットの中に印刷物として保管されていたりする。これらを組織全体で有効活用できるかどうかは、非常に大きなテーマだ。

 提案型営業では担当者がいろいろな情報を切り貼りして提案資料を作るが、それらの元データが素早く手に入れられるような基盤があれば、業務効率は大きく改善するだろう。過去の提案資料を組織的に共有するだけでも、かなり効果があるはずだ。製造業などでは設計・製造・調達・安全・環境など、さまざまな関連情報をグローバルに参照しなければならない場面があるが、これらもIT化なしに推進することは困難といえる。

 第3はストック情報と関連するが、企業内外の情報を持ち寄って、新たな発想を生み出す「知識クリエーション」である。かつての“ナレッジマネジメント”ブームの際には、個々人が持っている知識を形式化することに力点が置かれた。これは知識のマニュアル化によるスタッフ教育、属人的業務を標準化するといった面で効果がある。

 その後、“創発的コミュニケーション”に注目が集まるようになり、会社の公式な組織とは別に、興味やプロジェクトに応じて“社内コミュニティ”を作って組織の活性化に取り組む企業が増えている。

 こうした社内(場合によっては協力会社や異業種企業を含む)コミュニティは、普段は交流のない他部門から業務上のアドバイスを受けたり、新商品や業務改善に役立つ“知恵”が喚起されたりといったメリットが期待できる。ITソリューションを活用すれば、場所や時間の制約を受けずにコミュニティ活動を行うことができるというわけだ。

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