「Webアプリの性能最大化でCSを上げろ」、日本CA「Wily Application Performance Management」に最新版

» 2009年05月18日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 日本CAは5月18日、アプリケーションの性能を監視する製品群「CA Wily Application Performance Management」(以下、Wily APM)の最新版を発表した。2008年10月に発表した前バージョンに対し、今回はSOA環境でのトランザクション管理機能にフォーカス。オンラインバンキングをはじめ、ITによる顧客サービスが年々高度化している中、エンドユーザーが満足できる性能をアプリケーションがきちんと発揮できているか、SOA環境でも確実に把握できるよう機能を強化したという。

 Wily APMは、Webアプリケーションとその提供システムを監視する「CA Wily Introscope」(以下、Introscope)と、エンドユーザーの体感パフォーマンスを監視する「CA Wily Customer Experience Manager」(以下、CEM)の2製品で構成。今回のリリースで、Introscopeはバージョン8.1、Wily Customer Experience Managerはバージョン4.2.2となった。

 Introscope は、Webアプリケーション、アプリケーションサーバ、ポータルなどのパフォーマンスを常時監視し、すべてのトランザクションをモニタリング、アプリケーションコンポーネントと依存関係を自動的に検出し、問題が発生した際は、その障害原因を特定できる製品。問題の切り分けを迅速に行えるため、万一の際もシステムの復旧時間を短縮できるほか、Webアプリケーションに重大な問題が発生する前にその予兆を検知することも可能だという。

写真 CA Wily Application Performance Management最新版の機能強化ポイント。

 昨年10月に発表したバージョン8では、Javaアプリケーション版、.NETアプリケーション版を統合し、1製品で両方に対応できるようにしたほか、SOA対応も進めていたが、バージョン8.1では、このSOA対応機能を強化。追加ライセンスフィーなしで利用できる「SOA Performance Management 8.1」(以下、SPM)を標準でバンドルした。

写真 SOA ディペンデンシーマップの表示画面。各アプリケーションの関連性をビジュアルで迅速に理解できる

 SPMには大きく2つの機能がある。1つはSOA環境におけるWebアプリケーション間の依存関係やオペレーションを自動的に図示する「SOA ディペンデンシーマップ」。もう1つは、Webアプリケーションの稼働情報をリアルタイムで表示する「リアルタイムSOAヘルスダッシュボード」だ。これらにより、SOA環境における各種サービスの関係性や現状を俯瞰(ふかん)したり、何らかの問題が発生していれば、その原因を特定し原因を詳細に追求できるという。今回からOracle Service Bus、IBM WebSphere Process Server/ESBにも対応し、より多くのプラットフォームにおけるトランザクション管理を可能とした。

 併せて、別ライセンスで「PowerPack for MQ 8.1」も用意、MQ環境において、MQの性能がアプリケーションにどう影響するのか、迅速に把握できるようにした。具体的には、Java言語で記述されたプログラムであるサーブレットから、キューマネージャーへの呼び出し状況をIntroscopeのトレースビューに表示することで、MQの性能に起因する問題を迅速に特定、解決できるという。また、SSLなどのセキュアチャネル越しでもMQのトランザクションをモニター可能としたことで、より確実な管理・改善をサポートできるという。

 一方、CEMは、システムの利用者であるエンドユーザーの視点でWebアプリケーションを監視し、そのサービスレベルが収益にどう影響するか、というビジネスの観点からアプリーションの稼働状況を把握できる製品。具体的には、ビジネスプロセスとトランザクションの2つを監視できるほか、監視した情報をIntroscopeに渡して、より高度な分析・診断を行うことも可能だ。

写真 ワイリー・テクノロジー営業本部 本部長の脇本亜紀氏

 ワイリー・テクノロジー営業本部 本部長の脇本亜紀氏は、「オンラインバンキングや受発注システムなどオンラインサービスは年々高度化し、顧客満足度向上の重要性も増している。Wily APMはWebアプリケーションの性能と可用性を可視化し、常に監視可能とすることで、問題が起きる前にアクションを起こす大きな支えとなる。いま、弊社では、潜在価値を引き出す、スリムなIT──“Lean IT”をテーマに各種製品を提供しているが、Wily APMもトランザクションの無駄をなくし、顧客満足度向上に寄与する効率的なIT運用をサポートする」と述べた。

 価格はIntroscope 8.1が1CPU当たり120万円。CEM 4.2.2が1CPU当たり75万円。両製品をパッケージしたWily APMは1CPU当たり162万5000円(以上、すべて税抜)としている。

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