モジュラアーキテクチャ(もじゅらあーきてくちゃ)情報システム用語事典

modular architecture / 組み合わせ型アーキテクチャ

» 2009年12月19日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 構成要素がモジュール化されており、それらを結合することで製品やシステムを設計・開発・製造できるように形作られたアーキテクチャのこと。製品アーキテクチャ区分の1つで、インテグラルアーキテクチャの対語である。

 構成要素(部品)を一定の基準や結合ルールに基づいて規格化し、組み合わせによる設計・製造を可能にした製品アーキテクチャがモジュラアーキテクチャである。モジュラ/インテグラルの製品アーキテクチャ区分を最初に示したカール・ウルリヒ(Karl T. Ulrich)は機能が要素と1対1に対応し、要素の組み替えが容易に行えるものをモジュラアーキテクチャと呼んでいる。

 モジュラアーキテクチャは部品の相互調整の手間を最小化するため、迅速な製品設計・製造が可能となる。同時に製品システムの進化や改善をモジュール単位で行えることから、技術革新やイノベーションを加速するというメリットも指摘される。

 他方、モジュラアーキテクチャ製品には運用時に“相性が悪い”と表現されるような原因不明の不具合が起きる可能性が付いてまわる。利用者サイドで“相互運用性”がテーマになるのも、モジュラアーキテクチャ製品に特有の現象といえる。

参考文献

▼『ビジネス・アーキテクチャ――製品・組織・プロセスの戦略的設計』 藤本隆宏、武石彰、青島矢一=編/有斐閣/2001年4月

▼『能力構築競争――日本の自動車産業はなぜ強いのか』 藤本隆宏=著/中央公論新社・中公新書/2003年6月

▼『戦略とイノベーション』 伊丹敬之、藤本隆宏、岡崎哲二、伊藤秀史、沼上幹=編/有斐閣/2006年1月


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