DPP(でぃーぴーぴー)情報マネジメント用語辞典

direct product profit / 直接製品利益 / 直接商品利益

» 2010年01月18日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 小売段階に至るまでに存在するさまざまなコスト要因/利益要因を考慮に入れ、単品ごとに算出した利益尺度のこと。調整した粗利益から直接商品経費を差し引いて算出される。

 小売業で商品を店頭などで販売して対価としての売上を得るまでに、さまざまな経費が掛かる。その経費は同じ品目で仕入れの時期や発注ロット、納入方法や在庫保管方法、店頭での陳列期間やバックヤードでの保管期間などによって異なる。また逆にリベートなどの販売支援策や返品の有無によっても単品ごとに利益が異なってくる。

 このように商品を販売するに当たってのありとあらゆる費用・利益要因を反映して、単品ベースで利益貢献度を導き出そうというのがDPPである。

 算定方法は一般に、単品の売価から単品の売上原価を差し引いて粗利益を導き、ここからリベートなどの収入を単品ごとに配賦して調整後粗利益を算出する。この調整後粗利益からDPCを控除したものがDPPである。このうち、DPCを導き出すためには極めて大量のデータを収集・加工することが必要なので、真のDPPを算出するにはコンピュータを利用した情報システムの構築が不可欠となる。

 一般的な利益貢献指標である粗利益は、仕入れ金額を小さくすることで値が大きくなるため、仕入担当者(バイヤー)はいかに安く仕込むに注力することなり、仕入れ単価を小さくするために大量仕入れを行って不良在庫を積み増してしまう場合があった。DPPの場合は各種のコストファクターを考慮することになるため、、商品の陳列位置や棚割り、店舗業務や入出庫作業、発注方法など、さまざまな改善策や打ち手と結び付けて考える必要が出てくる。

 カテゴリマネジメントにおいてカテゴリマネージャはDPPで業績を評価されることになっている。ただし、あまりに作業が煩雑・複雑なため、ABCで代用する場合が多くなっている。

参考文献

▼『インストア・マーチャンダイジング――流通情報化と小売経営革新』 田島義博=著/ビジネス社/1989年1月

▼『顧客サービス戦略』 Harvard Business Review=編/Diamondハーバード・ビジネス・レビュー編集部=編訳/ダイヤモンド社/2000年11月

▼『業績評価マネジメント』 Harvard Business Review=編/Diamondハーバード・ビジネス・レビュー編集部=編訳/ダイヤモンド社/2001年9月(『Harvard Business Review on Measuring Corporate Performance』の邦訳)


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