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話題のスクリーン、キクチ「ホワイトマットアドバンス」とは?インタビュー(2/3 ページ)

» 2004年12月21日 00時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]

――確かにホワイトマット系は“安い”というイメージがありますね。

 「スクリーンメーカーとしては、ホワイトマットが単に安いだけの素材と思われるのが非常に残念。それなら、性能が大幅に向上した現在のプロジェクターにあわせて、最新技術を投入した新素材を開発しようというのが今回の新製品の開発経緯。クオリティはマニアも納得するものにしながら、価格的にはビギナーも購入できるところを狙っています。そのために素材は、ベースからゼロスタートで作り直しており、2年の開発期間を経て完成した今回の新製品は、従来のホワイトマットとはまったく別物になっています」

――ホワイトマットアドバンスは“自然な映像”と“高いコントラスト感”に話題が集まってますが。

 「画作りの基本は“自然さ”。画作りのいろんな工夫を施しても、最終的には自然な表現に行き着く。“ナチュラルカラーリプロダクション”をメインコンセプトに、目に見える工夫を施しています。具体的には黒を沈めてハイライトは伸ばすことで、コントラスト感を大幅に向上させています」

――「黒を沈めてハイライトは伸ばす」というのは、従来のスクリーン特性からすると矛盾しているようですが。

 「確かに従来のスクリーン特性では、映像のダイナミックレンジの幅は一定という考えのもと、明るい(ハイライト)方向にシフトするか、暗い(黒を沈める)方向にシフトするかのどちらかでした。もともとホワイトマット系はコントラストのバランスはいい方でしたが、やはり黒側の物足りなさが指摘されることは多かったですね」

――ハイコントラストを実現したブレークスルー技術とは?

 「スクリーンの表面に“ウルトラマイクロシボ”という新処理を施しました。これは、スクリーン表面にミクロン単位の細かなシボを作ることで、シボの谷間では光を吸収してシボの山では光を反射させるという効果を持たせたのです。これにより、暗い方向を伸ばしながら、従来はそれに引っ張られて落ちてしまうハイライトをキープすることに成功。このことで、全体的なコントラスト感を高めることに成功しました」

photo 従来のホワイトマット(左)とホワイトマットアドバンス(右)

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