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「映像にこだわる」「大画面を活用」――新LIVINGSTATIONの楽しみ方(2/2 ページ)

» 2005年06月13日 00時00分 公開
[ITmedia]
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 通常は「ナチュラル」にしておけば、デジタルハイビジョンを含む全映像において、バランスのとれた自然な発色となる。「ダイナミック」はややコントラストが高く、派手な色づかいなので、周囲がきわめて明るい場合などに適用すればいい。ただ、繰り返し述べるが、この製品の画面の明るさは十分なレベルであり、昼間でも特に「ダイナミック」は必要ないと思う。

 逆に「シアター」は、薄めの色合い。これは部屋を暗くして映画鑑賞を行う場面を想定しているようだ。これも個人的には、普段のプロジェクターによる映画鑑賞とは異なり、“部屋を暗くしたい”必然性を感じないため、ほとんど利用しなかった。

 つまり、作り手が設定してくれた「ナチュラル」だけで不満はないのだが、ユーザーによっては“さらに画質を追い込みたい”といったニーズもあるだろう。その場合は、カスタム設定を利用すればいい。映像メニューの「カスタム1」「カスタム2」では、プリセットの5項目以外に「色温度(低/中/高)」や「ガンマ補正のオン/オフ」など、多彩な項目まで変更できる。プリセットは全体の傾向として、色温度をやや低めに設定しているのだが、そのあたりも好みに合わせられるわけだ。

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 デフォルトでは、

  • カスタム1(明るさ 00/コントラスト+50/色の濃さ+05/色あい 00/シャープネス 00/色温度 中/色伸張 弱/黒伸張 弱/ガンマ補正 オフ/Fエンハンサー 弱/Rエンハンサー 中)

  • カスタム2(明るさ 00/コントラスト+50/色の濃さ 00/色あい 00/シャープネス−50/色温度 低/色伸張 オフ/黒伸張 オフ/ガンマ補正 オフ/Fエンハンサー オフ/Rエンハンサー オフ)

     となっている。

    圧倒的な大画面だからこそ活用できる2画面表示

     デジタル放送への標準対応は、単に高画質をより手軽に楽しめるというだけではなく、思わぬ効果も生んでいる。それはマルチ画面の実用性の向上だ。この機能は従来から搭載していたが、外部チューナーを利用せずとも、単体でデジタル放送とアナログ放送の両方を同時に表示可能になった。

     左側は地上/BS/110度CSデジタル、右側はアナログ放送または外部入力となる。もちろん、デジタル放送と外部D映像入力の2画面表示もできるので、内蔵&外部デジタル放送チューナーで“ダブル・デジタル放送”を満喫するのもいいだろう。

     これまでも外部チューナーの接続で実現可能だったが、デジタル放送の内蔵はやはり、さまざまな面で利点が多い。当然ながら、リモコンは1個ですみ、テレビ機能とデジタル放送機能の操作もスムーズに行える。デジタル放送では、電子番組表にも標準で対応しているため、番組視聴が快適なほか、市販のi.Link(TS)対応デジタルレコーダーを接続すれば、録画予約までテレビ側から簡単に行える。

     “P”シリーズのように最大8番組を同時表示するザッピング機能には非対応だが、これに関しては、デジタル放送の利点を活用し、裏番組名を一覧可能な「番組チェック」を呼び出せばいいわけで、2画面に絞ったのは正解だと思う。

     マルチ画面で各チャンネルを観ながらのザッピングはできなくなったが、デジタル放送では「番組チェック」を押せば、現在放送中の番組タイトルを一覧できるので、特に不便とは感じない。また、次の時間帯に放送される番組のタイトル一覧も閲覧可能だ。

    photo 電子番組表には、タイトルだけでなく概要も含まれている

     もともと、圧倒的な大画面のLIVINGSTATIONとマルチ画面表示の相性は抜群だ。特に今回試用した57V型モデルでは、実測してみたところ、2画面を並べても、4:3映像で28インチ相当、16:9映像でも26インチ相当が確保できる。もちろん、本体スピーカーからの音はいずれかの画面のものしか出力されないが、ヘッドフォンを使えば副音声も聞ける。

     もっとも、仮に2画面分の音声を聞いても耳と脳がついていくはずはないのだが、ドラマを観ながらスポーツ中継をチェックといった用途には十分役立つし、2人で観る時に1人がヘッドフォンを使えば2番組を楽しむこともできる。

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     2画面での操作方法は少し変更されたが、直感的でわかりやすい。使うのは、基本的にリモコンのカーソル左右のみ。左画面にフォーカスがあるときに右を押すと、右へフォーカスが移動し、上下カーソルでチャンネル変更や外部入力切替ができる。この状態でさらに右を押すと、音声出力対象が右画面のものとなり、さらに右を押すと右画面が拡大(4段階まで可)、つまり、左右画面の比率を変更できる。

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     また、圧倒的な大画面による優位性は、デジタル放送のデータ放送を利用した場合にも、同様に発揮される。このデータ放送には、テレビ画面を縮小し、周囲に関連情報やニュース、天気といった情報を表示してくれるものもある。これも57V型なら、常にデータエリアを表示させてもよいと思わせる。たとえば、NHK総合やNHK教育でデータ放送を呼び出して、テレビ画面部分が縮小されても、通常放送の画面は4:3の画面で39型相当(対角99センチ)を確保できるのだ。このような使い方は、朝出かける準備をしながら視聴する際などに非常に実用的だろう。

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