それよりも、バリアングル液晶というのはポイントだ。頭上で、自分撮りで、液晶が自由に動くこの機構は、デジカメならではだ。薄型化・小型化との両立が難しいせいかあまりこうしたデジカメは多くないが、これは撮りやすくていい。
さらに、この液晶が電源と連動しているのも分かりやすい。液晶を空ければ電源オン、閉じれば電源オフ。迷うことのないインタフェースだ。
ただ、完全なバリアングル液晶と異なり、液晶の回転軸が限られているので、ウエストレベルでの撮影にはあまり意味がないのが残念。キヤノンみたいに270度とか回転するとさらに便利だったのだが。
タッチパネル液晶がこのカメラの最大の特徴か、というと、実はそういうわけでもない。最大の特徴は、やはりワイヤレスLANへの対応だろう。
このカメラの本当の魅力は、ワイヤレスLANにある。ワイヤレスLAN対応デジカメはニコンやキヤノンにもあるが、それとは一線を画す機能が満載なのだ。タッチパネルを採用した本当の理由もここにある。
それが、ワイヤレスLANとインターネットを使った画像共有だ。他メーカーのものとは違い、単にワイヤレスでプリンタと接続したり、PCに画像を送ったりだけでなく、デジカメから直接Eメール送信したり、画像共有サービスにアップロードしたりできるのだ。
ワイヤレスLANを使ってインターネット上のサービスを使うためには、ワイヤレスLANのアクセスポイント(AP)のWEPキーを入力する、Eメールアドレスを入力する、URLを入力する、といった文字入力が必要になってくるが、そこでタッチパネルの登場だ。必要なときにソフトキーボードが立ち上がるようになっており、それを付属のタッチペンで操作し、文字が入力できる、というわけだ。
ワイヤレスLANは、本体上部に付属のSDカードサイズのワイヤレスLANカードを差し込んで使う。普段は全部押し込んでしまっておき、必要なときに一度押し込むとカードがポップアップし、自動的にワイヤレスLANが立ち上がる。
ワイヤレスLAN起動と同時に周辺のAPが検索され、見つかったものが一覧表示されるのは、普通のワイヤレスLAN内蔵ノートPCあたりと一緒だ。あとはタッチペンで使いたいAPを選択すればいい。
WEPキーが必要な場合はここで入力画面になるので、ソフトキーボードをペンでタッチして入力する。公共のホットスポットでWEPがない場合、転送する画像やメールをのぞき見られる可能性があるのでオススメしないが、その場合はそのままで接続が完了する。
ワイヤレスLANは、実はこの最初の設定がけっこう手間。なぜかつながらない場合もあるし、最初は手間取るかもしれないが、いったん接続してしまえば、あとは快適に利用できる。11gに対応しているので、通信速度も理論値の最大54Mbpsとはいかないまでも、十分納得できるスピードだ。
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