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» 2007年08月07日 13時30分 UPDATE

デスクトップに香る北欧サウンド――Dynaudio「MC15」 (1/2)

デンマークのスピーカーメーカー、ディナウディオが初投入するマルチメディアスピーカーが「MC15」。卓上でも利用できるサイズだが、紛れもなく“ピュア”なサウンドを奏でてくれる。

[野村ケンジ,ITmedia]

 毎年1月に米ラスベガスで開催されるInternational CESといえば、時代の最先端を行くメーカーたちが巨大なブースを構え、渾身の製品をドレスアップして華を競いあうというきらびやかなイメージが強い一方、小さなブースにたいしたディスプレイもされず、無造作に置かれている無数の新製品がある。実はこのような「地味な」展示品たちこそCESのもうひとつの主役といえる存在。こういったなかから新しいアイディアを持ったユニークな製品を探し出すのが、個人的にもCESの醍醐味だと思っている。

photo Dynaudio「MC15」

 今回紹介するディナウディオ(Dynaudio)のマルチメディアスピーカー「MC15」も、CESの会場で見かけた注目製品のひとつ。1977年にデンマークで創業されたスピーカー専業メーカーである同社が、初めて手がけたコンシュマー向けアクティブスピーカーだ。会場ではまだ音の出る製品は置かれていなかったものの、カットモデルでそのシステムを説明するなど、ディナウディオにしては(というと失礼かもしれないが)例年になく力の入った展示がなされていた。

 基本的にはPC用スピーカーとしてアピールしているMC15だが、その内容を見る限り、大きさもシステムも価格も、既存のものとは一線を画す存在といえる。言うならば「本格派の超高級PCスピーカー」というイメージで、これまでのPCスピーカーにあった数々の制約の一切を振り払った、音質最優先モデルとなっている。

 そのサウンドクオリティに対する意気込みは、本体を手に取っただけでもよく分かる。170(幅)×260(高さ)×235(奥行き)ミリというPC用としてはかなり大きなボディは、約7kgもあってずしりと重い。これは巨大なトランスを採用した電源部や、約25ミリというブックシェルフスピーカーとしても異例な極厚フロントバッフルなど、音質面でのこだわりがもたらした結果だ。

 さらに採用されるスピーカーは、28ミリソフトドームツイーターに150ミリウーファーという、同社のブックシェルフスピーカーに使われているそのもの。こちらを50ワット×2という出力の内蔵パワーアンプで、バイアンプ駆動している。

photophotophoto ツイーターはAUDIENCEシリーズなどにも使われているD280ユニットを採用(左)、ウーファーは一昨年の登場以来好評を博しているESOTECシリーズの15センチユニット(中)、MC15の背面にはスリット状のパスレフポートが設置されるほか、内蔵パワーアンプ用ヒートシング、イコライザー/ハイパスフィルタースイッチなどがレイアウトされている(右)

 パワーアンプ用の巨大なヒートシンクや背面上部に設置されたスリット状のバスレフポートなど、随所に散りばめられた機能美が所有欲を大いにくすぐってくれるMC15だが、ブラック塗装のボディや角が斜めに落とされたフロントバッフルなど、単純にブックシェルフスピーカーとして見てもその外観は洗練されている。これだったらリビングに置いても違和感はないはずだ。

photo イコライザーとハイパスフィルターのスイッチ。イコライザーは低域が+2/0/−2、中域が0/−2/−4、高域が+1/0/−1dBで調整可能。ハイパスフィルターはFlat/80Hz/60Hzの3つが用意されている

 サウンド調整機能としては、低中高の3ポイントで調整できるイコライザーとハイパスフィルターを内蔵。設置場所やスピーカーまでの距離に応じて音質を調整でき、同時にラインアップされたアクティブサブウーファー「SUB250mc」との併用も考慮されている。

 入力はRCAのみでステレオミニプラグは用意されておらず、1台1台個別に接続する必要がある。電源もスピーカーごとに完全に独立している。実際の使用上は多少不便さが付きまとうかもしれないが、そのかわり5.1chシステムなどへ発展できる自由さはうれしいところだ。

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