レビュー
» 2007年12月10日 19時47分 UPDATE

贅沢なパーソナルサイズ、初の有機ELテレビ「XEL-1」(前編) (1/2)

ソニーが12月1日に発売した「XEL-1」は、有機ELを採用した初のテレビだ。画面サイズの割に価格は20万円と少々高めだが、新しいモノ好きなら是非チェックしておきたい製品だろう。

[芹澤隆徳,ITmedia]
photo 初の有機ELテレビ「XEL-1」

 ソニーが12月1日に発売した「XEL-1」は、有機ELを採用した初のテレビだ。PDA(ソニーのCLIE)や携帯電話の採用例はあるが、今回は11型画面に3波対応デジタルチューナーを搭載したテレビとして登場した。価格は20万円と少々高めだが、新しいモノ好きなら是非チェックしておきたい製品だ。

 届いた箱を開けて、まず感じたのは“高級感”だ。11型テレビなら、外箱は薄型だろうと勝手に思いこんでいたが、届いてみれば一抱えもある立方体。しかも上面から開けるのではなく、側面のプラスチック製のロックを外して箱を上にズボッと抜くタイプだ。つまり、大画面テレビと同じような作りになっていた。そしてスウェード調の柔らかい布の上に鎮座するXEL-1。まるで高級なアンティーク家具のようだ。

 高級感があるのは、梱包だけではない。同梱の説明書(ほかにペラ紙の設置ガイドなどがある)は黒を基調とし、中央に「XEL-1」の文字を立体的に印刷している。もちろん中はごく普通の説明書だが、最近ではあまりお目にかかれない高級感のある造りだ。

photophoto 本体前面の操作ボタン(左)メタリックなアームや外装の素材にも高級感がある

 付属品は、B-CASカードと薄型リモコン(後述)、ACアダプタと電源ケーブル、そして同軸ケーブル(2.5メートル)が1本。ケーブル類をあまり入れないのは最近の流れだ。ただ、これらのほかに背面の端子群を見えなくする「背面カバー」、外部アンテナ端子(RF)を保護する「アンテナ端子キャップ」、そして本体を美しく保つための「クリーニングクロス」といった小物が同梱されている。

 本体に目を移そう。既にCESや製品発表会の記事で触れているが、目の前で見ると有機ELパネルの薄さにまず驚かされる。下半分は若干厚みがあるものの、上部は完全に板状。しかも支えているのは1本の細いアームで、しかも中央ではなく向かって右側に寄せているあたりがデザイン的なコダワリだ。そのためか、チルト機構はあっても首を左右に振ることはできない。まあ、XEL-1の場合は本体ごと左右に動かせばいいので、問題になることは少ないだろう。

photophoto チルト機構は前方に15度、後方に50度まで動く。右の写真では視野角の広さにも注目してほしい

 持ち上げてみると意外と重い(2キログラム)。薄いスタンド部に転倒を防ぐウェイトが入っている可能性もあるが、3波デジタルチューナーをはじめ、各種の基板が詰め込まれているのだろう。電源がACアダプタになっている点は少し残念だが、パネルに見合う薄さのスタンドに機能を詰め込んだところも特徴の1つに挙げていい。

photophoto ACアダプタは大きめ
photophoto パネル部分は確かに厚さ3ミリ(左)。アンテナを内蔵している(右)

 外部入力は、割り切りよくHDMI×1のみで、HDMIコントロールをサポートした。チューナーも1系統でi.Linkなども搭載していないため、裏番組の視聴や録画に関しては別途レコーダーを用意する必要がある。ほかにUSB端子とイーサネット端子が用意され、USBメモリやデジタルカメラに保存した写真の鑑賞ができるほか、ネットワークに接続してDLNAクライアントとしても動作する。

photophoto リモコンも薄く、本体とデザインのテイストを共通化している

有機ELの特性と画質

 有機ELパネルは、電流を流すと光る性質を持つ有機材料を用いた自発光型のパネルだ。液晶のようにバックライトが必要ないため、厚さ3ミリという薄型化が可能になった。また有機材料は、流す電流の量によって発光の強さをコントロールできる上、光らせずに“真っ黒”を表現することも可能だ。100万:1というコントラスト性能を実現できたのは、パネルの素性といえるだろう。

 画面は十分以上の明るさを確保している。これは、ソニーが開発した「トップエミッション方式」(Top emission Adaptive Current drive)による部分が大きい。従来の有機ELは製造が比較的容易な「ボトムエミッション方式」が主流だったが、パネルの駆動回路が形成されているTFT基板側から光を取り出すため回路や配線が光を遮ってしまい、輝度が落ちる。そのデメリットを解消するため、ソニーが数年に渡って研究開発を進めてきたのが、TFT基板の上側から光を取り出すトップエミッション方式(→2001年の記事を参照)。その研究成果を凝縮したのがXEL-1といえる。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.