ズームやピント、レンズシフトなどの設定に関しては、すべて手動となっている。このあたりの簡素化はコストの関係上致し方のないところではあるが、これらの操作は最初の設置時に行うだけでいい。それよりもレンズカバーが外縁のフォーカスリング部にはめ込むオーソドックスなタイプであるため、そちらを毎使用後に装着するか否かで悩むところだ。
レンズ保護を考えるならば使用していない時は付けておきたいところだが、付けたり外したりした勢いでピントなどが微妙に狂ってしまう可能性も高い。プロジェクターを使うたびに微調整し直すのはおっくうだし、天井吊り設置では毎回取り付けること自体が大変。基本的にカバーは利用せず、布をかけたりしてホコリがかぶらないように工夫する方が得策かもしれない。
入力端子はx.v.color対応のHDMI×2、コンポーネント×1、Sビデオ×1、コンポジット×1、ミニD-Sub15ピン×1、RS-232C×1と平均的。HDMI入力が2つあるため、プレーヤーとレコーダーを差し替えることなく同時に繋いでおけるのは嬉しい。またトリガーアウトも用意されており、ほかの機器の電源と連動してオン/オフできる。
HDMIリンクによる連動もスムーズに行えた。エプソンはBDレコーダーやAVアンプなどの機器を製造していないため、オリジナルのリンク機能はとくに用意されていないが、HDMI1.3a対応であることから、HDMI 1.2a以降でサポートされたCEC機能(各社HDMIリンク機能の基本となっているHDMIの仕様)に準じており、EH-TW3000に連動してプレーヤー側の電源もオフになってくれる。ちょっとした部分ではあるが、手軽さという点ではありがたい機能だ。
メニューに関しては、かなりの調整幅を持ちつつも、内容が整理されていて扱いやすい。デフォルトで用意されている画面設定も「ダイナミック」「リビング」「ナチュラル」「シアター」「シアターブラック1」「シアターブラック2」「x.v.color」と7タイプが用意されており、各モードの細かい設定を調整することができる。また、それをメモリーすることも可能で、幅広い環境や好みに十分対応できそうだ。
詳細な設定項目のなかでもユニークだったのが「肌の色調整」。こちらは言葉そのもの、人の肌色を調整するためのもの。一般的に色調整は、RGBそれぞれのゲインや、色温度を変更することによって詰めていくパターンが多いが、EH-TW3000ではそれらに加えて、黄色系の色味をコントロールする項目を個別に用意したことで、分かりやすく簡単に調整が行えるように工夫されている。実際に使ってみると、これがかなり便利だ。プロジェクター初心者には、ありがたい設定項目だろう。
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