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» 2012年05月23日 19時53分 UPDATE

技研公開2012:スーパーハイビジョンだから分かること (1/2)

恒例の「NHK放送技術研究所一般公開」が明日24日から始まる。公開に先駆けて行われたプレスプレビューから、スーパーハイビジョン関連の展示を紹介していこう。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 「NHK技研3か年計画」の開発ロードマップで「2020年頃」とされたスーパーハイビジョン(SHV)。恒例の「NHK放送技術研究所一般公開」でも、多くのSHV関連展示を見ることができる。

ts_shv01.jpgts_shv029.jpg 1階の技研講堂に設けられた「スーパーハイビジョンシアター」。スペースシャトルの打ち上げ風景はテレビにもよく登場するが、高精細な大画面と22.2チャンネルの音響はひと味違う。格納庫内のシャトルも必見

 まず1階の技研講堂に設けられた「スーパーハイビジョンシアター」では、最新のSHVコンテンツ「スペースシャトル 最後の打ち上げ」を上映する。これは、2011年5月のエンデバー打ち上げ、同年7月のアトランティス最後の打ち上げの様子をまとめたもの。あまり見る機会のない格納庫内の映像もあり、シャトルのアップではその巨大さと重さまで感じられるよう。と同時に、打ち上げと帰還を繰り返してきたシャトルの船体は、実はかなりくたびれている様子がうかがえた。思わず“お疲れさま”といいたくなったら、それは超高精細映像に感情を動かされた証拠だろう。

自発光の直視型ディスプレイが登場

 SHVの表示デバイスでは、まずパナソニックと共同開発した145インチのプラズマパネルが挙げられる。昨年、シャープが発表した103インチ液晶ディスプレイに続き、今度は自発光型の直視型SHVディスプレイを開発。約3.2×1.8メートルという巨大な画面だが、7680×4320ピクセルを詰め込むとなると画素ピッチは横0.417ミリ、縦0.417ミリという微細さになる。

ts_shv07.jpgts_shv08.jpg 145インチのSHV対応プラズマディスプレイ。画面サイズは約3.2×1.8メートル

 プラズマパネルは走査線数が上昇すると画面にちらつきが現れるなど安定性が課題とされていたが、試作機ではパネル駆動の安定性向上とともに、垂直方向の複数画素を同時に走査する「マルチライン同時走査法」と信号処理LSIを開発、60HzながらSHV化を実現した。ちなみに入力インタフェースはHDMI ver.1.3×16。

 一方、SHVの仕様通りに120Hz駆動を可能にした「120Hzスーパーハイビジョンプロジェクター」も見ることができる。こちらはNHK技研とJVCケンウッドとの共同開発によるもの。従来は駆動回路の制限などにより8K解像度の高フレームレート表示は難しいとされていたが、今回は120Hz駆動に対応した4K素子を用い、それを画素ずらし機構「e-shiftデバイス」によって8Kするというアプローチだ。

ts_shv06.jpgts_shv05.jpg 「120Hzスーパーハイビジョンプロジェクター」。「e-shiftデバイス」の解説もある

 コンテンツ制作に必要が機材にも大きな進展があった。中でも現行ハイビジョンカメラと同等サイズのスーパーハイビジョン(SHV)用小型カメラヘッドは注目。従来のSHVカメラは複数の撮像素子を組み合わせて利用しているが、この方式では3原色に色を分離するプリズムが必要になり、小型化が困難だった。今回は、新たにカラーフィルターを搭載した3300万画素/120Hzの撮像素子を開発。単板式とすることで小型・軽量化を実現した。

ts_shv04.jpgts_shv03.jpg 小型カメラヘッド(左)と3300万画素/120Hzの撮像素子。単板で約3300万画素、12ビット階調の超高精細画像が得られる。サイズは約1.5インチ(右)

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