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「どこでもテレビ」に飽き足りず……東芝の防水ポータブルテレビ「10WP1」を使って分かったこと(1/3 ページ)

» 2016年02月03日 15時06分 公開
[ITmedia]

 ここ数年、お風呂でも使える防水スマートフォンが人気だ。しかし、小さな画面と貧弱なスピーカーに満足できない人も多いようで、防水仕様のポータブルテレビも売れている。今回、紹介する東芝の「10WP1」も、昨年末に投入された最新防水ポータブルテレビだ。

東芝の防水ポータブルテレビ「10WP1」。価格はオープンプライスで、店頭では4万円前後で販売されている

 「10WP1」の外観はちょっと面白い。横から見ると三角形の“おにぎり型”で、広がった下部を利用して40mm径というポータブルテレビにしては大きなスピーカーを両サイドに搭載している。というより、このサイズのスピーカーを使うために“おにぎり型”にしたというのが正解だ。

メッシュから透けて見えるのが40mm径のスピーカー

 東芝では、新規参入にあたって「視野角」と「音」の2つで差別化しようと考えた。それは既存の防水テレビの多くがTNパネルを採用しており、横から見ると画面が暗く、見にくくなることがあるから。例えば、湯船に浸かっているときと、体を洗っているときでは画面を見る角度が変わるだろう。自分が移動するたびに画面の向きを変えるのは面倒だ。その点、「10WP1」に採用された液晶パネルは左右178度の視野角を持つIPS(In Plane Switching)方式のため、横から見ても画面は明るく、色の変化も少ない。

 さらに本体の両サイドにポータブル機器としては大きなスピーカーを搭載し、ユニットの背後には独立したキャビネットも設けるなど、ポータブルテレビの枠を超えた“音”を実現。Bluetoothも内蔵しているため、スマホなどと組み合わせてワイヤレススピーカーとしても使える。

おにぎり型が使いやすい理由

 「10WP1」は、IPX 5(防噴流形)準拠の防水仕様で、水の噴射を直接浴びても有害な影響がない。つまり、ぬれた手で触れたり、シャワーがかかる程度なら全く問題ないのでお風呂でも使える。

 三角形のボディーはどこに置いても安定しやすく、気を使わなくて済むのがうれしい。わが家では初代「iPad mini」を防水ケースに入れ、「お風呂スマートテレビ」などと言っていたのだが、防水ケースはスタンドを開くと奥行きが増し、置き場所が限られるのが不満だった。またスタンド部が安っぽいプラスチック製で、浴槽の表面にキズをつける心配もあった。

湯船の縁でも78mmの幅があれば置ける

 一方、おにぎり型の「10WP1」は、どこに置いても奥行き78mmのまま。安定感のある形状なので、浴槽の縁という狭い場所でも机の上と同じ感覚で置ける。底面にはゴム足も付いているから浴槽にキズをつける心配もなし。画面の角度は変更できないものの、視野角の広さもあって不便は感じない。浴槽とシャワーの間にポンと置いておけば、お湯につかっているときも、体を洗っているときも同じように視聴できる。

付属のリモコン。ちゃんと水に浮く

 その画質は精細感が高く、テロップの小さな文字までしっかり読めるレベル。色ノリも良く、少し赤みが強い傾向にあるものの、iPad miniで見る映像とは段違いだ。やはり“本職”は違うと思った。一方で防水ケースは画面のクリア素材が汚れやすく、長く使っていると映像もくすんでしまいがち。その点、何も被せる必要のない防水ポータブルテレビはきれいだ。石けん汚れなどもティッシュで簡単に落ちる。

 そして東芝自慢のスピーカーは期待以上の出来だった。わが家のお風呂はジェットバスが自慢なのだが、難点はとにかく音がうるさいことだった。浴槽内に水を吹きだしている間、絶えず「ゴーッ」という大きな音が響き続け、生半可な防水スピーカーではまともに音が聞き取れない。しかし「10WP1」のスピーカーは、それに負けない音量にしても音が割れず、自然な音を聴かせてくれる。スマホなどの小さなスピーカーでは絶対にこうはいかない。

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