これは夢の育児アイテムだ! 仕事しながら自動で“搾乳”できる「Willow」 米国から登場
母乳で赤ちゃんを育てるお母さん、特に日中、赤ちゃんに直接母乳をあげることができないワーキングマザーにとっては、定期的な「搾乳」は大切な仕事の1つ。搾乳をして母乳をストックしておけば、母親以外の人でも赤ちゃんに母乳をあげられるし、赤ちゃんが飲み切れなかった分を搾乳し体外に出さなければ、乳腺炎などのトラブルを招くこともあるからだ。
しかし、従来の搾乳機はコードとチューブがついているため、母親は搾乳中、機械がある場所を離れられないし、両手がふさがって他のことができない。ストレスが伴う作業でもある。
そんな中、2017年1月に米ラスベガスで開催された世界最大級のコンシューマー向け家電製品の見本市「CES」で発表された「Willow」(ウィロー)は、ポータブルかつ多機能な利便性の高い搾乳機だ。これは世界中のお母さんのストレスを解消するであろう「夢の育児アイテム」なのだ。
下着の中に挟むだけ 搾乳量を検知し自動でストップ
使い方はシンプル。デバイスをブラジャーの内側に挟み、ボタンを押すだけでWillowは搾乳を開始する。すると、デバイスに内蔵されたドーナツ型の袋に、搾乳された母乳がたまり、袋がいっぱいになったら自動で搾乳をストップする。袋には弁がついているので逆流する心配もないし、目盛がついているので搾乳量が一目で分かる。
従来の搾乳機では、搾乳された母乳は専用の容器に蓄積され、それを自分で保存用の袋に移し替える必要があるものが多かった。Willowでは搾乳が終わればその袋を冷蔵庫や冷凍庫に入れるだけだ。実際に赤ちゃんに母乳をあげるときは、袋の上部を切って哺乳瓶に移し替えるのみ。袋は片方で約120mLの母乳を入れられる。
Willowは動作音も静かなので、搾乳する場所を選ばない。Willowを着けつつ家事や仕事も可能だ。
そして、大半の搾乳機は付属の容器やパーツを煮沸消毒してきれいに保つ必要があるが、Willowは二つのパーツに分解でき、食洗器に対応する。赤ちゃんの口に入るものは一層衛生に気を配りたいものだが、手入れのし易さもWillowの魅力だ。バッテリーは一回の充電で最大約2日間持続する。
アプリで搾乳量をチェック 過去の記録も閲覧可
スマートフォンと接続すれば、専用のアプリが搾乳量や搾乳時刻、また搾乳にどれくらいの時間を費やしたかを記録してくれる。これにより、搾乳中に量をチェックすることができるのはもちろん、過去のデータを見るのにも役立つ。アプリは現時点ではiOSのみの対応で、Android版は今後リリース予定とのこと。
Willowはワンサイズで、試作の段階でどんな胸のサイズの女性でも使用できたということだが、2017年後半には大きいサイズの発売も予定されている。またアメリカ食品医薬品局の認証も得ており、品質面に関してもお墨付きだ。
今春より入手可能 日本への展開も期待
スターターキットには本体2つ、専用の袋(24枚)、持ち運び用の袋、掃除用ブラシに充電器、取り扱い説明書が付属する。定価は430USドル(約4万8500円)と決して安くないが、発売に先行して使用したユーザーからは、以下のような喜びの声が多数届いている。
「搾乳をしながらでも食事の用意や、家事ができる画期的なアイテム」
「取り付けも簡単だし、小さくて軽いので持ち歩きにも便利。手入れが楽であるのも助かる」
「Willowがあれば搾乳中も両手が自由になるので、その間に娘と遊ぶこともできるし、まさに私の生活をガラっと変えた」
などと好評だ。
米アトランタにある感染症対策の総合研究所「アメリカ疾病管理予防センター」によれば、一歳になるまでは母乳を与えることが望ましいものの、米国内の母乳で育つ乳児(全体の81%)のうち、半分は6カ月までしか母乳を飲んでいない。
このデータが物語っているように、母乳育児を続けることは個人差こそあれ困難を伴う。母親の食事の制限はときには妊娠中よりも厳しいし、前述の通り搾乳は面倒だ。
筆者自身も0歳児の母親だが、子どもを産むまで搾乳がこんなにフラストレーションのたまる仕事だとは思いもしなかった。自身の睡眠不足と戦いつつ、いつ起きて泣き出すか分からない赤ちゃんに細心の注意を払いながら大きな音を立てる搾乳機と向かい合うたび、何度「母乳育児を諦めようか」と思っては踏みとどまったことか……。
創業者でCTOのJohn ChangさんはCNNMoneyの取材に対して、Willow誕生のきっかけとなったのは彼のパートナーと三人のお子さんの存在だったと語る。Willowは子育ての現場から生まれた、まさに世のお母さんの「あったらいいな」が詰まったアイテム。搾乳にまつわる課題をクリアし、忙しい毎日に少しのゆとりをもたらしてくれるはずだ。
しかも、米国ではAffordable Care Act(通称オバマケア)の一環で、国から払い戻しが受けられることで搾乳機が実質無料で手に入る制度があるのだが、Willowもこの制度の対象アイテムに入る予定だという。
Willowは2017年の春から入手可能で、現在公式サイト上でサインアップを受け付けている。残念ながら現時点では米国内のみの販売予定だが、今後は海外への販路拡大も検討していくとのことだ。
ライター
執筆:橋本沙織
編集:岡徳之
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