スマートフォンを“紙のようなシンプルなフォルム”に――「Ascend P6」投入の狙い:2013年後半にLTE版も登場予定(1/2 ページ)
6月18日、Huaweiがロンドンで新製品発表イベントを開催し、世界最薄となる厚さ6.18ミリのスマートフォン「Ascend P6」を発表した。本製品でHuaweiが目指したのはデザインと使いやすさの両立だ。2013年後半にはLTEに対応したバージョンも登場する予定。
Huaweiは6月18日(現地時間)、ロンドンのThe Round Houseで新製品「Ascend P6」の発表イベントを行った。6.18ミリという世界最薄のボディに高性能なカメラや独自のUI(ユーザーインタフェース)を搭載し、使い勝手も大きく向上させている。
3つのイノベーションを世界最薄ボディに凝縮
Huaweiが発表したAscend P6は、同社のスマートフォン「Ascend」の中で、デザインやスタイル重視の「P」シリーズに属する製品である。同シリーズに属する製品は2012年1月に発表された、当時世界最薄の「Ascend P1」「Ascend P1 S」、2013年2月に発表された世界最速のLTE Cat4/150Mbpsに対応する「Ascned P2」に次ぐ4機種目となる。Ascned P2はデザインと高スペックを重視する消費者に向けて、Ascned P6はよりスタイリッシュな製品を望む消費者に向けて、今年は2機種の「P」シリーズを市場に投入する。
新製品発表会でHuawei デバイスのチェアマンであるリチャード・ユー氏は「自動車レースの世界で100分の1秒単位の速度を縮めていくことは非常に困難なステップであり、それはスマートフォンの薄型化でも同じことだった」と話し、Ascend P6の6.18ミリの厚みを実現するまでかなりの苦労を要したことを説明した。しかし消費者に美しくエレガントな製品を提供するため、同社のスローガンである「Make it Possible」を合言葉にして世界最薄モデルにチャレンジした。そしてこのAscend P6は薄さだけが特徴ではなく、「デザイン」「カメラ」「ユーザーインタフェース」の3つのイノベーションを詰めた製品に仕上げたと話した。
まず端末のデザインには、人類の歴史で長く使われている「紙」に、そのコンセプトを求めたという。スマートフォンの高機能化が進むほど、操作ボタンが増えたりカメラ部分が出っ張ったり、本体のデザインが複雑化した製品が増えている。またスマートフォンは通話の道具としてだけではなく、ニュースや書籍を読むなど紙の代わりになりつつある。つまり、スマートフォンを“紙のようなシンプルなフォルム”そして“薄いもの”にすることで、自然と毎日使いたいと思わせる、魅力ある製品にできるのではないかと考えたという。
なお、薄型化を実現するためには基板やカメラ、バッテリーなど各モジュールも小型化や薄型化、最適な配置が必要になる。その結果、Ascend P6の本体内部は各パーツが整然と隙間なく配置され、外見だけではなく内側も美しい製品に仕上がっているという。
次に800万画素のメインカメラは、最適な設定を悩まなくても美しい仕上がりを自動で設定できる「IMAGESmart」エンジンを新たに搭載し、感動的なシーンを瞬時に撮影できるよう目指した。200の撮影モードが記憶されており、写真撮影時に最適な設定が適応される。発表会場ではiPhone 5、GALAXY S 4との撮影画像の比較が行われたが、コントラストのある風景や室内撮影などで、Ascend P6のカメラでは、より鮮やかな写真を撮影できるという。また、食事の場で料理を近距離撮影してソーシャルサービスにアップロードすることを考えて、4センチまでのマクロ撮影にも対応した。
イントカメラには、自分撮りを好む女性のために、500万の高画素なものを配置。「Beauty Level」と呼ばれる機能により、スライドバーを使って1歳〜10歳、若返った写真を撮影することも可能だ。
UIは同社のスマートフォンが採用する「Emotion UI」の最新版を搭載。Android標準のUIよりも操作はシンプルで使いやすくなっている。1つのウィジェットに多くの機能を統合した「Me Widget」も搭載するほか、アイコンやカラーをまとめて変更できるテーマは1000種類以上をダウンロードできる。Ascend P6はホワイト、ブラック、ピンクと3つの本体カラーが用意されるが、テーマを自由を変更できるので、画面の中身までも自分好みにカスタマイズできるわけだ。
Ascend P6は6月から中国、7月からは世界19カ国で発売される。それ以降は100カ国以上に販売先を広げる予定だという。日本での販売については現時点では不明とのこと。価格はSIMフリー、単体で449ユーロ。欧州では通信事業者と2年契約を結ぶことなどで、数十ユーロ台での購入が可能になるようだ。
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