「解約したいんですけど」……そのとき店員は? ソフトバンクの「接客No.1グランプリ2014」
ソフトバンクモバイルが2014年の接客コンテストを実施。5000人のエントリーから選ばれた15人のファイナリストが、決勝大会で接客のロールプレイングに臨んだ。今年のテーマは「クレーム処理」だ。
ソフトバンクモバイルが10月22日、ショップ店員が参加する接客コンテスト「ソフトバンクモバイル接客No.1グランプリ2014」の全国決勝大会を開催した。
ソフトバンクモバイルは2010年からこの接客コンテストを年に1回実施しており、今年で5回目を迎える。直営店から代理店まで、ソフトバンクショップ店員の5000人がエントリーし、各地域の予選を勝ち抜いた15人のファイナリストが決勝大会に臨んだ。決勝大会では1人15分の持ち時間が与えられ、2人の客とロールプレイングを行う。
2014年は「クレーム処理」をテーマとし、訪れる客が「解約したいんですけど」と言い出す厳しい場面から接客がスタートする。ここで「はい、分かりました……」となるとコンテストは終わってしまうので、何とか解約を阻止しないといけない。しかし客(にふんした役者さん)は、どこか機嫌が悪そうな態度で「電池が持たないし、(スマホの)反応が遅くて使えない」「家族がドコモなのでドコモに変えた方が安くなるし……」と不満を話し、会場にも緊張感が走る。まさに接客力が試されるシーンだ。
「iPhone 4sがもっさりしていて電池ももたない」と不満を漏らしていた女性客に対しては、現行のiPhoneならLTEに対応しているので通信速度が上がること、下取りキャンペーンを活用することで毎月の割引が増えることを提案。新料金プランのスマ放題を紹介する際には、ドコモやauの新料金プランとの違いとして、2回線以上契約した家族がデータ定額パックで5Gバイト以上を選ぶと「家族おトク割」が適用されること、データ量の繰り越しができることを説明していた。
奥さんがauのiPhone 4sを使っていて、ソフトバンク機種のつながりが悪いので、auに乗り換えたいという男性客に対しては、最新機種ならプラチナバンドに対応しているのでつながりやすいこと、スマ放題で通話し放題になることをアピール。さらに、外出先で動画をよく見るという奥さんに対しては、auの携帯電話は通話とデータ通信を同時に行えないが、ソフトバンクなら(YouTubeなどの)動画を見ながら電話ができること、最新iPhoneはLTEなので動画もスムーズに見られることを説明していた。
栄えあるグランプリは、今回は異例の(?)2人が選ばれ、ソフトバンク伊東川奈の美岡愛美さんと、ソフトバンク梅田中央の石橋麻里奈さんが受賞した。
ソフトバンクモバイル 営業推進統括 ショップ推進統括部 ショップ企画部 部長の佐々木洋氏は、今回のテーマを「クレーム」にした理由について「お客様のニーズをくみ取り、問題点を明確にするため」と説明する。一昔前によく挙がっていた「ソフトバンクはつながりにくい」というエリアに対するクレームは最近は減っているそうだが、2年以内や更新月以外の解約で発生する違約金に対してのクレームは多いそうだ。実際、コンテストの接客でも「auは更新月前にリマインドのメールが来たのに、ソフトバンクは来なかった」というクレームが出ていた(実際は「お知らせ情報」というサービスがあるのだが、事前の登録が必要)。
クレームはニーズの裏返しであるから、これをいかに減らしていくことが解約率の低下につながることは言うまでもない。また、iPhoneが3キャリアから発売され、料金プランもほぼ横並びになる中、競合他社の弱点や自社の強みを把握するのはもちろん、来店者のライフスタイルに合った提案をどれだけできるのかも重要だと実感したコンテストだった。
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