FREETEL SIMが再び絶好調――「格安SIM」16サービスの実効速度を比較(ドコモ回線11月編):通信速度定点観測(2/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。7月から始めた本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。それでは11月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
午後のアイティメディアではmopera Uが下り30Mbps超え
最後に東京都内のアイティメディアの会議室で午後に測定した。さらに寒くなった11月26日(木)で、天候も時々雨がぱらついていたが、ランチタイムということもあって、周辺の歩道にはたくさんの人が歩いていた。なお、IIJmioとOCN モバイル ONEについては1回分の記録ミスにより、2回の測定値から平均値を出した。
ここではドコモ本家のmopera Uが下り平均31Mbps。文句なしのナンバー1。MVNO勢ではランチタイムに強いFREETEL SIMが26Mbpsで続く。FREETEL SIMは上りの通信速度でも2位だった。
さらに今回はWonderlink(LTE F)も下り21Mbpsでトップ3に入った。反面、Wonderlink(LTE I)は0Mbps台と両極端な結果になった。
混雑時ということもあって全体的に下り平均で0Mbps台が多く、特にワーストのぷららモバイルLTEは下り平均0.08Mbpsとつらい結果に。NifMoと楽天モバイルも、ランチタイムに横浜と同じく厳しい数値が並ぶ。
さらに今回は楽天モバイルが、当初の測定では3回ともサーバにつながらず、結局最後にもう一度やり直している。そのため計測時刻が12時46分になっている。本当のワースト1は楽天モバイルといえるかもしれない。
上りの通信速度は、BIGLOBE LTE・3Gが13Mbpsを記録して1位に。b-mobile(おかわりSIM)、DTI SIMも上りで10Mbps以上を維持し、下りは遅かったNifMoも上りは10Mbps以上をキープしてトップ5にランクインした。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 12:20 | 1 | 7.7 |
OCN モバイル ONE | 12:20 | 0.89 | 7.02 |
BIGLOBE LTE・3G | 12:24 | 1.66 | 13.39 |
b-mobile(おかわりSIM) | 12:24 | 0.97 | 10.45 |
So-net モバイルLTE | 12:30 | 6.2 | 2.11 |
楽天モバイル | 12:46 | 0.5 | 8.01 |
NifMo | 12:33 | 0.22 | 10.24 |
ぷららモバイルLTE(7GBプラン) | 12:33 | 0.08 | 9.49 |
ワイヤレスゲート | 12:36 | 2.77 | 2.75 |
FREETEL SIM | 12:36 | 26.07 | 11.74 |
DMM mobile | 12:39 | 0.73 | 5.14 |
U-mobile(LTE使い放題) | 12:39 | 0.54 | 9.82 |
Wonderlink(LTE I) | 12:42 | 0.77 | 7.24 |
Wonderlink(LTE F) | 12:44 | 21.07 | 8.21 |
mineo(Dプラン) | 12:44 | 2.93 | 8.42 |
DTI SIM | 12:46 | 8.06 | 10.35 |
ドコモ(mopera U) | 12:42 | 31.27 | 9.57 |
11月はFREETEL SIMがナンバー1、DTI SIMも安定した実力を発揮
11月は、9月に続いてFREETEL SIMが一番の好成績で、文句なしの数値といえる。横浜駅の夕方でこそ遅くなったものの、それでも上位にランクインし、上りの通信速度も速く、隙がない。
他に下りの通信速度で上位に頻繁に顔を出すのは、やはりドコモ本家のmopera U、そして多少ムラはあるものの、Wnderlink(LTE F)も速い。上りの通信速度ではBIGLOBE LTE・3Gも強い。
今回新たに加わったDTI SIMも、終わってみれば、混雑時でも下り平均5〜8Mbpsを維持しており、ワイヤレスゲートの3Mbps前後を維持する安定力が、さらに底上げされた感じ。これから安定し続けるのか楽しみだ。
また4回の測定を見ると、上位にランクすることは少ないものの、So-netモバイルLTEと「mineo(Dプラン)」は下り平均で0Mbps台に至らず、安定しているのが分かる。
各サービスの傾向をまとめると以下の通り。
- IIJmio……夕方に強く、常に下り1Mbps以上
- OCN モバイル ONE……午前中と上りの速度に自信あり
- BIGLOBE LTE・3G……上りは最強、下りは午前中が得意
- b-mobile(おかわりSIM)……上りはお任せ
- 楽天モバイル……下りは不調も上りはお任せ
- So-net モバイル LTE……実はこちらも安定力アリ
- NifMo……午前中と上りはお任せ
- ぷららモバイルLTE……混雑時は下り× 上りで勝負
- ワイヤレスゲート……上下ともに常に3Mbps前後で安定
- FREETEL SIM……今回最強、気になるのは夕方くらい?
- DMM mobile……午前中は絶好調、他はイマイチ?
- U-mobile(高速定額)……下りは常に遅いという結果
- Wonderlink(LTE Iシリーズ)……午前は強く、昼は苦手
- Wonderlink(LTE Fシリーズ)……ムラはあっても依然好調
- mineo(Dプラン)……こちらも実は安定力抜群
- DTI SIM……混雑時でも実用十分な安定力アリ
- ドコモ(mopera U)……混雑時に速く、常に安心
これまで、あるタイミングでは通信速度が速くても、ユーザーが増えるに従って通信速度が落ちたりするもの、と思っていたが、毎月の通信速度を見る限り、特に下りが速いサービスはいつも速く、遅いサービスはいつも遅い、という固定化が見られる。そこそこの通信速度を常に維持するというワイヤレスゲートのような中位グループも、だんだんと固定化してきた。こうした傾向は、測定を毎月行っているからこそ分かるものといえる。
とはいえ、今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。
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