「ベゼルレス」「ライカカメラ」「最強セルフィー」――2016年の中国スマホを振り返る:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
2016年も各社からさまざまなスマートフォンが登場した中国市場。各メーカーの最新モデルはどれが最強なのか。各社の動向を探ってみた。
最強の自撮りと高速充電――アジアでも人気のOPPO「R9」シリーズ
1年前はグローバル市場で話題にも上がらなかったOPPO。だが2016年に入ると一時はシェア4位に入るなど、Samsung、Apple、Huaweiに次ぐ巨大メーカーにまで成長した。中国市場でもシェア1位に上り詰めるなど、OPPOの今の勢いは他のどのメーカーでも追い付けないといえるほどだ。しかもOPPOが強いのは中国だけではなく、東南アジア各国でも着々と販売数を伸ばしている。
OPPOのラインアップは1600万画素インカメラを搭載した「R9」シリーズのフラグシップモデルを筆頭に、学生層でも手軽に購入できる、100ドル台からの低価格なAシリーズを複数そろえている。OPPOはオフラインマーケットも重要視しており、自社製品を販売するブランドショップを中国のみならず、東南アジア各国に構えている。
OPPOのショップに入ればそろいの制服を着た店員が出迎え、R9を片手にカメラを起動。画面を見るとインカメラがオンになっており、撮影すると自分の姿はとてもきれいに写っている。女性のみならず男性であっても「スマートフォンのインカメラって、こんなにきれいに撮れるのか」と驚く瞬間だ。
また「5分の充電、2時間通話」という急速充電機能も大きな特徴となっている。R9シリーズなどに搭載されている独自開発したVOOC高速充電機能は、電源環境の悪い新興国のユーザーにとっては心強い機能だ。ちょっと立ち寄ったお店で10分も20分もコンセントを借りるのは気が引けるもの。だが5分程度なら買い物をしたり、あるいは店員と雑談をしている間にあっという間だ。OPPOもR9の発売直後は、この急速充電機能だけをアピールしていたほど。
中国国内では3000元を超える高価格帯モデルの「R9」。東南アジアではカメラ機能はそのままにディスプレイ解像度を落とすなどして価格を200ドル台に抑えた「F1」シリーズとして展開しており、手ごろな価格と高品質なセルフィーが撮れるスマートフォンとして急激に人気を高めている。この価格帯であれば先進国の若年層でも十分購入できるだけに、今後のグローバル展開も期待したい。2017年はOPPOがさらに市場でのプレゼンスを高める年となるだろう。
関連キーワード
中国 | Oppo(広東欧珀移動通信) | Xiaomi | iPhone | Leica(ライカ) | Mi Note | Apple | iPhone 7 | ポルシェ | AQUOS CRYSTAL | 山根康宏の中国携帯最新事情 | HUAWEI nova plus | Vivo
関連記事
- Xiaomi、“縁無し”6.4型ハイエンド端末「Mi MIX」を約5万4000円で発売へ
Xiaomiが、ベゼル幅がほとんどない画面占有率91.3%の6.4型ファブレット「Mi MIX」を11月に中国で発売する。Snapdragon 821登載でRAMは4GBなどのハイスペックで、価格は3499元(約5万4000円)。 - 中国女子スマホの最新トレンド 「さりげない高級感」と「超高画質セルフィーカメラ」
群雄割拠の中国スマホメーカー。華やかなデザインとセルフィー(自撮り)機能を充実させた女性向けモデルの競争も激しい。「中国女子スマホ」の最新トレンドを探った。 - スマホシェア世界4位に食い込んだOppo、Xiaomiにない強さとは?
スマホの世界シェアでApple、Samsung、Huaweiに次ぐ4位に食い込んだOppoとはどんなメーカーなのか。かつての勢いを失った振興メーカーの“顔”、Xiaomiとの違いに迫った。 - HuaweiとXiaomiのバトル、新興勢力の台頭 2015年中国スマホ市場を総括する
右肩上がりだった中国スマホ市場だが2015年は出荷台数が減少に転じるなど、成長鈍化が見られた。それでも買い替え需要は依然高く、新旧勢力がさまざまな製品を投入してきた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.