グーグルが自社ブランドスマホ「Pixel 2」「Pixel 2 XL」を発表――スマホの競争軸は「AIとソフトウェアとハードウェア」の組み合わせに:石川温のスマホ業界新聞
Googleブランドの新スマートフォンが登場した。現時点で日本での発売予定はないが、今後のスマホの競争軸を示唆する機種であることは間違いなさそうだ。
グーグルは10月4日(現地時間)、自社ブランドのスマートフォン「Pixel 2」「Pixel 2 XL」を発表した。
Pixel 2は5インチで16:9のフルHDディスプレイを採用したHTC製。Pixel 2 XLは6インチで18:9・QHD+ディスプレイのLGエレクトロニクス製となる。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年10月7日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
発売国はアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどとなっており、日本は含まれていない。実際、国内キャリア関係者に聞いてみても「秋冬モデルで採用するという話はなさそう」という声しか聞こえてこない。
対応バンドを見ると、ソフトバンクのネットワークであれば使えそうな雰囲気がある。ソフトバンクでは、Androidの父であるアンディ・ルービン氏が手がけた「Essential Phone」を取り扱うようだが、ぜひともEssential Phoneだけでなく、ワイモバイルあたりでPixel 2シリーズの販売に期待したいところだ。
今回、個人的にPixel 2シリーズで注目したのは「eSIM」対応だ。グーグルが手がけるMVNO事業であるProject Fiなら、eSIMを利用できるようになっているという。
eSIMについては、Apple Watch Series 3でとても利便性が高いというのは確認済みであるし、筆者は海外取材用にProject Fiを契約していたりもする。
「スマホでeSIMを使うとどうなるのか」というのがとても気になることもあり、早速、Pixel 2 XLをオーダーしてしまった。
もちろん、Pixel 2 XLはSIMフリーであり、SIMカードスロットもある。となると、eSIMとSIMカードの併用はどのような挙動をするのかも気になるところと言える。
カメラにおいては、Google Lensアプリを搭載し、撮影した被写体を認識し、情報を引き出せるだけでなく、ポスターなどに記載された文字を認識し、テキスト化できるという。
流行のデュアルカメラではなく、シングルカメラであるが、機械学習により、被写体と背景を理解し、背景をぼかすポートレート撮影も可能だ。
今回、グーグルの発表会では「AIとハードウェアとソフトウェア」というフレーズを多用していたのが印象的であった。
カメラにおいても、AIで画質を良くするのだが、それにはソフトウェアの作り込みが重要であり、またハードウェアとの相性も考慮しなくてはいけない。
つまり、AIで差別化するには、ソフトウェアとハードウェアの両方を開発しなくてはいけないというわけだ。
そこに気がついたからこそ、グーグルとしては自社ブランドで今回のようにスマホやスピーカー、さらにカメラなども積極的に投入してきたといえるだろう。
アップルもiPhoneにおいては自社設計のGPUを搭載して、人工知能的にカメラの性能を上げようとしている。
まさに、この先、スマホの性能は人工知能によって向上していくのだろう。
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