「AQUOS R compact」上部の“切り欠き”、視認性や操作性の影響は?
シャープの「AQUOS R compact」で狭額縁デザインが復活したが、インカメラを上部に搭載したため、ディスプレイに切り欠きが生まれた。この切り欠きが視認性や操作性に与える影響はどれほどなのだろうか?
ラウンド形状のボディーに狭額縁ディスプレイを搭載したシャープの新たなコンパクトスマートフォン「AQUOS R compact」。シャープの狭額縁デザイン「EDGEST」が復活したのは大きなトピックだが、一方で気になることも。ディスプレイ上部をくりぬいてインカメラを搭載したことで、画面に切り欠きができてしまったことだ。
画面の切り欠きといえば、11月に発売予定の「iPhone X」も、ディスプレイ上部の一部が欠けており、デザイン性での賛否や操作性を心配する声が挙がっている。ではAQUOS R compactの場合はどうか? 短時間だが、10月13日の発表会で確認したことをまとめたい。
まず着目したいのが、AQUOS R compactのディスプレイ解像度。通常のフルHD(1080×1920ピクセル)ではなく、縦が112ピクセル分長いフルHD+(1080×2032ピクセル)となっている。この112ピクセルの拡張領域も含めて全画面で表示すると、当然ながら、インカメラの部分が欠けて表示されてしまう。全画面表示が想定されるのが、写真、動画、ゲームなど。Chromeブラウザを確認したところ、拡張領域にまでコンテンツが表示されていないので、切り欠きの影響はなかった(後述するが、あえて全画面表示にすることもできる)。
もちろん、コンテンツ自体の情報が欠けるわけではなく、あくまで見えなくなるので、PCや他のスマートフォンでは全ての要素が見られる。なお、AQUOS R compactのディスプレイはアスペクト比が17:9なので、16:9のコンテンツを全画面で表示すると、左右の端が欠ける。
画面上部には、電波強度やバッテリー残量などのピクトアイコンが表示されるが、インカメラの部分にはアイコンが表示されないよう調整されている。これも当然の対応ではあるが、インカメラのせいで、ピクトアイコンの情報を見落とすことはない。ただし、ピクトエリアに文字がスクロールして表示される場合、インカメラの部分は見えなくなる。例えばSIMカードが挿入されていない際に流れるメッセージなどだ。
写真や動画は縮小すればインカメラで見えないところも見えるようになるが、画面を縮小できないゲームの場合はどうか。当然、この切り欠きを意識してコンテンツが作られているわけではないので、肝心の部分が見えなくなる恐れもある。
そこで、AQUOS R compactには画面上部の拡張エリアにはコンテンツを表示させなくする設定を用意した。画面設定の中にある「スタンダードモード」にアクセスし、アプリごとにオンとオフを切り替えられる。オンにすると拡張領域も含めて全画面で表示し、オフにすると拡張領域には何も表示されなくなる。
ゲームなどで明らかに操作性に影響が出ると判断したら、スタンダードモードをオフにするのがいいし、逆にあえて全画面で見たいと思ったらオンにすればよい。アプリごとに設定できるので、必要に応じてオン/オフにすれば、使い勝手に影響が出ることはないだろう。
インカメラの切り欠きについては、シャープ社内でも議論があったようだ。スタンダードモードの設定変更は、切り欠きによる視認性や使い勝手の低下を防ぐ、シャープならではの工夫といえる。
とはいえ、インカメラを使わない人や、(従来のEDGEST端末のように)インカメラはディスプレイの下でも問題ないという人にとって、AQUOS R compactの切り欠きは邪魔でしかない。賛否両論あるだろうが、この切り欠きがユーザーにどう受け止められるのかも注目したい。
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