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» 2004年05月21日 13時16分 UPDATE

「今年こそメモリースティック普及元年」

発売から6年たったメモリースティック。本格普及は今年からだという。“コンテンツ販売”“高速転送”“ハードのマルチ化”の3つがその鍵だ。

[岡田有花,ITmedia]

 1998年に最初のメモリースティックが発売されて以来6年。後発のSDメモリーカードに比べるとシェアの伸びは鈍く、苦戦しているようにも見える。しかしソニーは「今年こそメモリースティック元年になる」と言い切る。

 「メモリカードのシェアは現状、デジタルカメラ用がどれだけ売れているかでほぼ決まってしまう。メモリースティックはデジカメだけでなく、音楽や映像などどんなコンテンツでも安心して保存できるのが強み。デジカメ市場のシェアにはこだわらない」(ソニーのメモリースティックセンタープロモーション企画部・佐藤亮治統括部長)。

 メモリースティックはもともと、著作権のあるコンテンツでも安全に保存できるメディアとして開発された。保存するファイルの規格やアプリケーションソフトも一緒に開発することで、「メモリースティックならどんなコンテンツでも安全に保存・再生できる」という安心感を築いてきたという。

 5月21日に発売される新しいメモリースティックが全て、著作権保護技術「マジックゲート」(MG)対応になる(関連記事参照)理由もここにある。「これまでMG対応、非対応の2種類あり、著作権管理された音楽はMG対応のものにしかダウンロードできなかった。全部をMG対応にすることで、どのメモリースティックでも必ず音楽を保存・再生できると安心してもらえる」(佐藤統括部長)。ちなみにこれまで、MG対応製品の出荷数は非対応製品の5分の1以下だったという。

yu_sony_01.jpg 全モデルでMG対応になった新メモリースティック

 “安心感の重視”は、メモリースティックPROでも同様だ。動画撮影・保存やデジカメの高速連写を視野に入れて昨年発売されたPROは、DVD並みの動画(9MbpsのMPEG-2)も保存できるよう最低転送速度を15Mbpsに設定。10年後の動画撮影や高速連写機能にも対応できるようにしたという。「他社のメモリカードはメーカーによって最低転送速度がバラバラのものもあり、最新デジカメの連写機能が利用できない場合がある」(佐藤統括部長)。

 「メモリースティックは、転送速度からファイルフォーマット、再生用ソフトまでを厳しく規定し、対応ハードならどんなコンテンツでも安心して再生できるDVD-ROMのようなもの。一方他のメモリカードは、規格が緩いため互換性が薄く、ハードによって再生できたりできなかったりする記録型DVDのようなものと言えるだろう」(メモリースティックセンターアプリケーション企画部石坂尚アプリケーションプランニングマネージャー)。

 ただ、メモリースティックPROでは現状、MG対応の音楽コンテンツが利用できず、これが“安心感”を落としているように見える。「PRO用のOpen MGの開発が遅れているのが原因で、申し訳なく思っている。現在開発を急いでいるところ」(石坂マネージャー)。

音楽配信が追い風に

 「メモリースティックへの音楽ダウンロードが目に見えて伸びている」(佐藤統括部長)。起爆剤となったのは、昨年発売されたソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製携帯電話SO505iS。MG対応メモリースティックにダウンロードした音楽を再生できるのが特徴だ。

 「SO505iSが出て、『Famiポート』での音楽ダウンロード数がそれまでの1000倍に跳ね上がった」(石坂マネージャー)。Famiポートは全国5800店舗のファミリーマートにある端末で、MG対応メモリースティックに楽曲をダウンロードできる。クレジットカードが必要なPC上の音楽ダウンロードとは違い、現金でコンテンツを購入できるため、携帯の最新機能を積極的に利用する高校生に受けたという。

 「レーベルゲートの音楽配信やiTunes Music Storeが普及し、音楽コンテンツにお金を払うことが常識になってきた。今年はエニーミュージックのサービスも始まり、メモリースティック販売の追い風になるだろう」(佐藤統括部長)。。

 今年発売した同社の電子ブックリーダー「LIBRIe」も、電子書籍コンテンツをメモリカードにダウンロードして持ち出すという新しい市場を築き、メモリカード販売も後押しすると見る。

yu_sony_02.jpg SO505iS(上)とサイバーショット DSC-T1(左)、LIBRIe

ハードのマルチ化が市場を広げる

 「ハードの機能がどんどんマルチ化している。それにすべて対応できるのがメモリースティックの強み」(石坂マネージャー)。例えばSO505iSのメモリカードにはデジカメ画像と音楽の保存、動画の再生機能が求められる。PDAやカーナビも音楽・動画再生機能を装備するなど機能が多様化している。規格を厳しく定めているメモリースティックは、これらの機能全部が安心して利用できるという。

 「メモリースティックは10年先を見て規格を策定し、技術やコンテンツも蓄積してきた。6年目となる今年から、市場は広がり初めるだろう」(佐藤統括部長)。

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