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マイクロソフト、中小規模企業に対する施策の大幅強化を発表

» 2004年11月19日 16時14分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 マイクロソフトは11月19日、都内のホテルで中小規模事業所のIT化を支援する「全国IT推進計画」について、ソフトの低価格パッケージ発売を含む強化策を発表した。

 同社 代表執行役社長兼マイクロソフトコーポレーション コーポレートバイスプレジデントのマイケル・ローディング氏は、現在までに行ってきたビジネスパートナーとの協業の中から「彼らからのフィードバックによって、マイクロソフトがこの分野で何をしなければならないかがはっきりした」と述べ、今回の強化施策への取り組みを強調。またマイクロソフトコーポレーション セールス マーケティング サービスグループ担当 グループバイスプレジデントのケビン・ジョンソン氏は、日本国内の中小規模事業所市場の特性を指摘し、「現在166万社といわれる日本の中小規模事業所は、全企業数の99%にあたる。今後12カ月の売上成長率は10%となっており、ここでのITテクノロジーの活用がうまくいけば、経済に大きな影響を与え、経済全体を活性化させることができる」として、この取り組みが社会に対する企業ミッションとしての意味合いを持つことも語った。

マイクロソフト代表執行役社長兼マイクロソフトコーポレーション コーポレートバイスプレジデントのマイケル・ローディング氏。
マイクロソフトコーポレーション セールス マーケティング サービスグループ担当 グループバイスプレジデントのケビン・ジョンソン氏。

 施策についての具体的なプログラムや製品については、同社 執行役常務 OEM営業本部 ゼネラルビジネス統括本部 東日本・西日本営業本部担当の眞柄泰利氏によって説明された。

マイクロソフト執行役常務 OEM営業本部 ゼネラルビジネス統括本部 東日本・西日本営業本部担当の眞柄泰利氏。

 IT実践塾やIT体験キャラバン、経革広場などで知られるとおり、マイクロソフトは2001年より中小規模事業所に対して積極的な取り組みを見せている。初期目標として市場の底上げを掲げ、11月現在でセミナー・トレーニング受講者はのべ3万3000人、経革広場の累計登録企業数は5万社を突破した。

 3年間のこうした活動を通じて同社が得たことは、IT活用における中小規模事業所のより切実な実態だという。「初期の啓発活動としてはうまくいった。だが、依然ITリテラシーの低さや身近な相談窓口の欠如といった現状があり、これに対してはさらに継続して取り組む必要があると考えた」(眞柄氏)

 そこで、以下のような施策が発表された。

スマートビジネスキャンペーンの実施

 12月10日より行われる同キャンペーンは、Microsoft Windows Small Business Server 2003 日本語版(SBS 2003)によるサーバシステム導入を促進するためのプログラムとなる。サーバソフトウェアのSBS 2003に、グループ情報共有ツールの「Microsoft GroupBoard Workspace」とパーソナルリレーションシップマネジメントソフトウェア「Microsoft Office InterConnect 2004」、そしてデータ分析ツール「住中先生のビジネス ウィザード 2004」体験版を加えたパッケージ、「マイクロソフト スマートビジネスパック」を安価に提供する。合わせてSBS 2003の追加クライアントアクセスライセンス(5CAL)を従来の半額で提供する。

わかる! つながる! ひろがる! をキーワードに3本のアプリケーションが追加されたスマートビジネスパック。

 上記製品の価格は、スマートビジネスパックが137,500円〜、追加クライアントアクセスライセンス(5CAL)が44,300円。なお、既存のSBS 2003ユーザー(デル、東芝、日本IBM、NEC、日本HP、富士通 各社のプリインストール版も含む)には追加アプリケーションのみのパッケージ「スマートビジネスパック Windows Small Business Server 2003 ユーザー限定版」(27,500円)が提供される。

 より詳細な情報はキャンペーンサイト「http://www.hirogaruIT.com/」で12月10日より公開され、逐次更新される予定となっている。

マイクロソフト中小企業IT化支援センターの開設

 IT導入に関する相談や活用支援のための電話による相談窓口が開設される。12月10日より、フリーダイヤル 0120-58-0196 で、IT化に関する相談や本キャンペーンに関する問い合わせを受け付ける。

IT推進全国会の拡充

 パートナー企業が参加する「IT推進全国会」について、現在の参加280社からさらなる拡充を図るとともに、IT分野以外のパートナーについても参加を呼びかける。新たにマイクロソフト認定システムコーディネーター(MCSC)やマイクロソフトオフィシャルトレーニングスクール(MOTS)、そして税理士や会計士などからなる全国IT推進研究会への呼びかけが行われる。

 さらにIT推進全国会の会員に対するサポート窓口として、「IT推進全国会支援センター」を12月1日に開設する。実際に導入作業を行う側であるパートナーからの技術面あるいはライセンス体系、販売などに関する質問を受け付ける。

パートナーとの連携をより密接に行い、相談のための窓口強化や啓発、活用教育に努める。

 現在展開している「全国IT推進計画」についても継続・拡大を図り、IT実践塾では2005年末までに新規受講者13,000名、経革広場においては40,000社の新規登録を目指すという。

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