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実はそれほど多くない? フィッシング詐欺の被害額

» 2004年12月02日 08時55分 公開
[ITmedia]

 電子メールを使ったフィッシング詐欺の実際の被害額は、一般に言われているよりもはるかに少ない――。コンサルティング会社のTowerGroupが12月1日発表した報告書でこう指摘した。

 フィッシング詐欺は、金融機関などからの公式通知を装ったメールでユーザーを信頼させ、クレジットカード番号などを入力させて金銭を騙し取る手口。TowerGroupでは、フィッシング詐欺による今年の直接的な被害総額は、世界で1億3710万ドルになると試算している。

 これは一般に言われているよりも大幅に少ない額だと同社は指摘。上級アナリストのベス・ロバートソン氏は「フィッシング詐欺では犯罪者が消費者のデータを不正に入手することが可能だが、口座が利用されたり金銭が引き出されたりといった実際の詐欺にはそれほど頻繁に結びつかない」と解説している。

 フィッシング攻撃の件数は今年の3万1000件から、来年は8万6000件に増えると予想。実際に騙されるユーザーは今のところごく一部にすぎないが、攻撃の増加と手口の巧妙化により、コンシューマーがインターネットに寄せる信頼にマイナスの影響を及ぼす可能性があると指摘する。いずれこの脅威の管理にかかる総コストが、実際の詐欺被害額を大幅にしのぐようになると同社は予測している。

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