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温度やイオン濃度を計測・送信できるRFIDセンサー、日立が開発

» 2004年12月06日 19時18分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は12月6日、RFIDに対応した無線通信機能と、温度/イオン濃度/ひずみセンサー、測定データ処理回路を備えた「RFIDセンサー」を開発したと発表した。溶液の温度やイオン濃度、ひずみを高感度で計測し、データをワイヤレス送信できる。医療やバイオ、物流分野などでの実用化に向けて開発を進める。

 開発したセンサーは、外付けアンテナに電波を照射して駆動する非接触タイプで、通信距離は10ミリ、40ミリ、75ミリの3種類。

 電源電圧変動の影響を受けにくい信号処理回路を新開発して搭載し、センサーの感度を高めた。感度や消費電力は、リーダーからコマンド入力で制御できる。通信距離や信号強度に応じた高感度な測定が可能だとしている。

 半導体の製造プロセスで製造できる高感度センサーを新開発した。温度センサーは、マイナス30度から120度まで0.5度の精度で計測可能。イオンセンサーは、PH値4−9の水素イオン濃度を計測できる。既存のひずみセンサー技術も採用し、ひずみ計測にも対応した。

 センサーのサイズは、通信距離10ミリの試作品が27×42.8ミリ、同40ミリの試作品が42.8×54ミリ、同75ミリの試作品が52×85.6ミリ。実用化に向け同社は、低消費電力化して通信距離を高めるなど研究を続ける。

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