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ネット調査と面接調査、大半で結果異なる

» 2005年02月10日 19時19分 公開
[ITmedia]

 「ネット調査と面接調査では違う結果が出る」――労働政策研究・研修機構は、こんな調査結果を発表した。従来型の面接調査とネット調査や郵送調査は、調査結果の大半が有意に異なり、その差異は性別や年齢、学歴、職業といった属性だけでは説明がつかないという。「ネット調査を面接型の代用としてそのまま使うのは不適切」と同機構は結論している。

 同機構が2001年に行った面接調査(対象は4000人、有効回答は2751人)と、2004年に20〜65歳男女を対象に行ったネット調査4種類、郵送調査1種類(対象は各1650人)を比較したところ、結果の7〜8割が異なった。

 例えば、キャリア意識についてたずねると、面接では一企業にずっと勤めたいと答えた人が最多だったのに対し、ネットでは、複数企業を渡り歩いてキャリアを磨きたいと答える人がトップ。独立したいと答える人も多く、終身雇用や組織との一体感といった日本型の慣行に否定的な傾向が強かった。

 ネット調査は面接調査に比べて高学歴の専門職や内職、自営業、非正規従業員が多く、技能労務職や正社員が少ないほか、家事のかたわらに仕事をする人や、労働時間が40時間未満と短い人も多かった。仕事や家庭を含めて充実感が低く、多くの側面で不公平感が強いほか、職業能力に自信がない人が多いという結果も出た。

 ネット調査と郵送調査は無作為抽出とモニター公募両方、面接調査は無作為抽出のみで行ったが、公募と無作為抽出の間にも差が出た。モニター型調査は、無作為抽出よりも不満、不安が強い傾向にあったという。モニター登録というプロセスを経ていることが回答内容に影響すると同機構は推測している。

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