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Lexarとのフラッシュメモリ訴訟で東芝に3億8000万ドルの損害賠償命令

» 2005年03月24日 12時20分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Lexar Mediaが東芝と東芝の米国法人をフラッシュメモリに関する企業機密の盗用および信認義務違反で訴えていた件で、カリフォルニア州のサンタクララ郡高等裁判所は3月23日、東芝およびToshiba America Electronic Components(TAEC)に対し、3億8000万ドルの損害賠償支払いを命じた。

 さらに、陪審は東芝が懲罰的損害賠償に関しても有罪だとしており、24日には損害に関する証拠が提出される見込み。Lexarの執行副社長であるエリック・ホイッテーカー氏によれば、東芝の自己資本に基づく賠償額は24日に法廷で公開するという。

 東芝は陪審判決に関するコメントを拒否した。

 この陪審判決とその後下される可能性のある裁定は、判事による承認が必要となる。

 この訴訟は、両社の提携が不調に至ったことに始まった。両社は1997年にビジネスパートナーとなり、東芝はLexarに300万ドルを投資し、同社に取締役1人を送り込んだ。東芝は2年半にわたって取締役会に席を置き、その地位を利用して同社の技術および事業計画を知ることができたとLexarは主張している。Lexarによれば、東芝はこれと並行してLexarのライバル企業であるSanDiskと共同でフラッシュメモリチップの開発に取り組んでいたという。

 「東芝のやり方は不適切だったと思う。今回の判決はルールを再確認するものだ」とホイッテーカー氏。

 この訴訟の争点となった米国特許は、5,907,856号、6,034,897号、6,040,997号、6,081,878号、6,141,249号、6,374,337号。さまざまなフラッシュメモリ技術に関連したものだ。

 ホイッテーカー氏は今回の判決について、「これはLexarにとって極めて重要だ」と語る。「Lexarの知的財産の価値は常にわれわれのビジネスモデルの中心であったし、これからもずっとそうだ。今回の判決はわれわれの現在の、そして未来のビジネスパートナーに重要なメッセージを送っている」

 Lexar技術のライセンスを受けている企業には、Samsung Electronics、ソニー、オリンパス、Eastman Kodakなどがある。

 23日に判決が下され、翌24日に懲罰的損害賠償に関する審理が行われても、の訴訟が終わるわけではない。

 Lexarの不当競争に関する申し立ては陪審に提出されておらず、4月13日に審理後の申し立てとともに裁判所で審理される見込みだ。その中でLexarは、問題のLexar技術を使用していると判断された東芝製品の米国での販売を禁止するよう命じる差し止め命令を求めるだろうと同社は話している。対象製品にはNANDフラッシュメモリチップや、このチップを搭載するメモリカードなどが含まれる。

 さらに、これから10件以上の特許に関する侵害訴訟の審理がカリフォルニア州北地区の連邦地裁で行われる予定だ。この訴訟でも、Lexarは東芝製品の販売差し止め命令と損害賠償を要求している。

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