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HPの新CEOが初会見、経営戦略は披露せず

» 2005年03月31日 09時05分 公開
[IDG Japan]
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 米Hewlett-Packard(HP)の新CEOに決まったマーク・ハード氏が同社トップとして初めてウォール街のアナリストと会見したが、HPの方向性について自身の計画を披露することは一貫して避けた。CEOには4月1日に正式就任予定。HP経営戦略を打ち立てる前に、今後数カ月かけて同社について学ぶつもりだと語っている。

 3月30日午前の電話会見でアナリストはハード氏に対して繰り返し、プリンティング部門あるいはPC部門のスピンオフによるHPの分割を検討するかどうかについて質問した。ハード氏は、もっと時間をかけてHPについて学ぶまでその質問に答えるつもりはないと述べたが、会社を切り売りするよりもHP全体としての業績を上げることで、投資の見返りを求める株主に応える方が望ましいという考えを示唆した。パトリシア・ダン会長は、「HPのCEO交替の目的は、戦略ではなく経営実績の転換にある」とする取締役会の声明を繰り返した。

 ハード氏(48)は、収益の効率性に重点を置いてコスト削減を断行する人物と評されている。HPで人員削減を検討するかとの質問は、それを決めるにはもっと時間が必要だとの答えでかわしたが、優れた経営を優先課題とすることに変わりはないと語った。

 「私は実行指向型の文化を信奉している。明白な目標の設定、戦術的計画の遂行、信頼できる人材の維持が信条だ」

 HPが29日に当局への提出書類で明らかにした雇用契約によれば、ハード氏が受け取る年間の基本給は140万ドル、賞与目標は最低280万ドル、最高840万ドル。特定の目標に達した場合は長期的業績における賞与として数百万ドルを与えられるほか、HP株式70万株のストックオプションを付与された。行使価格は同氏が正式就任する4月1日の平均取引価格。さらに、契約一時金として200万ドル、移転手当275万ドルなどを支給している。

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