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1年で会員5倍目標に アクセル踏む「4th MEDIA」

» 2006年04月14日 18時32分 公開
[ITmedia]

 NTT系ISPのぷららネットワークスは4月から、NTT東西地域会社の光ファイバー接続サービスユーザー向け動画配信サービス「4th MEDIA」の普及に力を注ぐ。新規投入するセットトップボックス(STB)をレンタルに対応させ、加入者の勧誘を本格的に展開。光ユーザーの拡大も追い風に、3月末で3万人だった会員数を、1年で一気に5倍の15万人に拡大するのが目標だ。

photo 新規投入するSTB「Picture Mate 300」

 同サービスは2004年7月にスタート。ブロードバンドユーザー向けに専用STBを介して動画コンテンツを配信し、ユーザーは一般のテレビで視聴できるのが特徴だ。現在は光ユーザーのみに絞り、@niftyやBIGLOBEなど大手ISPとも提携して「Bフレッツ」ユーザー向けにサービスを提供している。

 基本料金は、レギュラープランが月額2835円(税込み)。現時点では国内唯一となる、全ハリウッドメジャースタジオの作品をそろえたVOD配信や、米WWE、サッカーなどスポーツコンテンツなどの豊富さが売りだ。

 4月3日からNTT東西が販売を始めた新STB「Picture Mate 300」は、メニュー表示などを高速化する「メタサービス」への対応や、パケットロスによる画質劣化を回避するFEC(Forward Error Correct:前方誤り訂正)技術を搭載。オプションで無線LANに対応し、テレビへの配線工事を不要にできるほか、設定データを収めたUSBメモリをセットすれば、接続などに必要な全設定が済む機能も備えた。

photo 「Picture Mate 300」の画面

 来年3月末に会員15万人という目標を達成するためには、毎月1万人のペースで新規獲得が必要な計算になる。このうち半分をぷらら会員、もう半分は提携ISPの会員からの獲得を見込んでいる。1年で会員を5倍に拡大するという強気な計画だが、同社は成算はあると踏んでいる。

photo 会員数推移の予測

 同社が以前、光ユーザー2万人を対象にダイレクトメールで勧誘したところ、そのうち1割が実際に加入する結果に。だが当時はSTBの設定などが難しかったため、混乱を懸念して営業を打ち切った経緯がある。

 今は「機は熟した」。これまでのSTBは買い切りのみだったが、新STBはNTT東日本でレンタル(月額525円〜)に対応。機能面や設定の容易さなど、普及のネックになっていた部分も解消されたとして、今月から本格的な営業展開をスタートする。

 3月末時点のぷらら会員は214万人。うちADSLなどを含むブロードバンド会員が169万人で、そのうち光ユーザーは50万人。光ユーザー率が全会員の23%と高く、こうした見込み客ら毎月5万人を対象に、積極的なテレマーケティング攻勢をかける構えだ。

 ぷららの板東浩二社長は「光ユーザーの拡大と認知度向上で、感触として月1万人ペースはいけるのでは」と話す。接続収入に頼るISPから「ブロードバンドサービスプロバイダ」への脱皮を課題に挙げ、「4th MEDIAは今年で3年目。ビジネスとして確立するための勝負の年だ」と意気込んでいる。

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