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ケータイでググる時代に――auがGoogleを採用

» 2006年05月18日 18時59分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 5月18日、KDDIがau携帯電話向けポータルサイトにGoogleを採用すると発表した。検索対象はEZweb上の公式サイト、一般サイトのほか、PC向けサイトも対象になる。ヤフーをグループ会社に持つソフトバンクモバイルに続いて、PC向けサイトの検索エンジンが通信キャリアと連携を強めた。

 「女子高生とグループミーティングしたところ、携帯電話ではあまり情報を検索しないことがわかった」とKDDIコンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏は言う。PCサイトビューアーの利用者がここ1年間で1.3倍になるなど、PC向けサイトの利用が進むauの携帯電話だが、検索して情報を取得するという一般的なインターネットの“作法”は必ずしも浸透していなかった。

 Googleの検索エンジンは7月から「EZトップメニュー」に実装される予定だが、仕様は現在も検討しているところ。高橋氏によれば、EZボタンのように検索ボタンを搭載する、コンテンツの場合は検索結果から直接ダウンロードできるようにする、情報系の場合はGoogleの技術を用いて概要を表示する、などと操作が煩雑にならない工夫を凝らすという。

 「ケータイは物を調べるツールとしては脆弱。何かをしながらケータイで検索するというパターンを作れたらいい。テレビや雑誌など、いろいろなメディアを見ながら“ケータイでググる時代”だ」

KDDIの高橋氏
操作が煩雑にならない工夫も凝らす

ロングテールを取り入れたau

 Googleが携帯電話向けサイトをどれだけ収録しているかは不明だが、Googleシニアプロダクトマネージャーの徳生健太郎氏は「1万〜2万よりも大きい」という。Googleの検索エンジンを採用することで、従来型のカテゴリー表示ではアクセス数が伸びなかったカテゴリー順位の低いサイトのアクセスが増加する可能性もある。まさにauは、ロングテール的な手法を取り入れたというわけだ。

 検索結果にはGoogleアドワーズによるモバイル広告を表示する。このモバイル広告を開始するのは「auが世界で初めて」(米Googleモバイルプロダクトマネジメントディレクターのディープ・ニシャー氏)だという。なお、モバイル広告による収益の分配率は明らかにしていない。

Googleのニシャー氏(左)と徳生氏(右)

 いまやGoogleは検索エンジンだけの企業ではない。Google MapsやGmailなどAjaxを活用した先進的なサービスでも知られている。これら各種サービスの一部では、携帯電話でも利用できるようにAjaxを用いないバージョンを用意しているが、徳生氏は「今後はプラットフォームに応じたバージョンも検討する」とコメント。KDDIの高橋氏も「携帯電話が高機能になるにつれ、ブラウザもPCのものと区別がつかなくなるのではないか」と、近い将来、携帯電話でAjaxが利用できるようになるとの見方を示した。

Google-KDDI連合結成、ドコモの動向は?

 今回のauとGoogleの連携は、2005年7月に来日したGoogleのエリック・シュミット氏にKDDIが話を持ちかけたのがきっかけ。PCと携帯電話の連携を狙ったポータルサイト「DUOGATE」を2005年4月にオープンするなどFMC(Fixed-Mobile Convergence)を推進してきたKDDIと、国内でヤフーの後塵を拝しているGoogleの思惑が一致した結果だといえる。

 加速するPCと携帯の融合。今後は、同じグループ内に検索サイト「goo」を持つNTTドコモの動向も気になるところだ。

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