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米国の州司法当局の多くが令状無しで携帯電話を追跡――ACLU調べ

» 2012年04月02日 12時04分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米国の州司法当局の多くが個人の携帯電話のデータ追跡を実施していることが、米国自由人権協会(ACLU)が3月31日(現地時間)に発表した調査結果で明らかになった。

 ACLUが各州や地域の司法当局に携帯電話のトラッキングに関するポリシーや実情について情報開示を求めたところ、200以上の組織が回答を寄せた。

 トラッキングをまったくしていないと答えたのはわずか10の組織だった。トラッキングを日常的に実施していると答えた組織の中で、令状を取っているのはわずかだったという。ほとんどの組織は、トラッキングの目的は犯罪捜査だと説明した。トラッキングするのは行方不明者の捜索などの緊急事態でのみと回答した組織もある。

 ほとんどの組織は携帯電話のデータを通信キャリアから入手しているが、追跡用ツールを購入している組織もあった。

 ACLUは、携帯電話の位置情報は司法当局が令状無しに取得できるものではないと主張。州および連邦政府は、携帯電話の位置情報追跡に際しての令状取得を義務付ける「GPS法」を通過させるべきだとしている。ACLUは米国民に、GPS法の通過や米電子通信プライバシー法(ECPA)の改正を連邦政府に訴えるよう呼び掛けた。

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