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» 2012年11月28日 10時00分 UPDATE

安全で効率の良い太陽光発電を実現するオムロンの独自技術

太陽光発電システムのパワー・コンディショナー市場で大きなシェアを握るオムロン。独自の多数台連携時の単独運転防止技術が好評を得て、中・小規模システムへの導入も進んでいる。また、太陽光発電システムの遠隔監視システムでは、素早くきめ細かい対応で顧客をどんどん増やしている。パワー・コンディショナーの企画を担当するオムロン 環境事業推進本部 エナジーオートメーション部 マーケティング課 主査の大橋勝己氏と、太陽光発電見守りサービスを担当するオムロンフィールドエンジニアリング 環境事業部 環境設計部の清水孝信部長の話を聞いた。

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omron_1.jpg オムロンの屋外設置型パワー・コンディショナー「KP□M」シリーズ

 2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まり、太陽光発電の導入が全国的に加速している。市場の広がりを受け、オムロンは屋外設置型のパワー・コンディショナー「KP□M」シリーズを2012年11月に発売した。同社はこれまで家庭用・住宅戸建用に屋内設置型のパワー・コンディショナーを販売し、同分野では市場シェア首位を維持してきた。今回は10kW以上、50kW未満の小規模発電システムも狙うという。

omron_2.jpg オムロン 環境事業推進本部 エナジーオートメーション部 マーケティング課 主査の大橋勝己氏

 「集合住宅や多店舗チェーンが導入するケースなどが増え、10〜数100kWのミドルソーラーの中でも特に50kW未満の低圧連系市場は急拡大している。今後は住宅向け市場と合わせてこの市場に注力していく」(大橋氏)。

 KP□Mシリーズの最大の特徴は「AICOT(Anti-Islanding COntrol Technology)」と呼ぶオムロン独自開発の多数台連系時の単独運転防止技術を搭載していること。系統からの給電が止まったとき、つまり停電が発生したときにパワー・コンディショナーが単独で運転を続けていると、太陽光発電による電力が系統側へ逆流し、停電の復旧に当たる作業員の感電や設備の火災につながる可能性がある。AICOTはこれを防止する技術だ。

業界の新標準となった独自技術「AICOT」

 従来技術では、電圧・電流の変化を検知して単独運転を検出しているが、異常の検出から停止に1秒程度かかり、柱上トランスを越えての検出が困難であった。一方AICOTを搭載するパワー・コンディショナーは、0.2秒と高速でシステムを停止でき、パワーコンディショナー同士の干渉を確実に防ぐ。また、交流の周波数の変化から単独運転を検出するためトランスを越えて単独運転検出が可能となる。

 このため、電力会社との連系協議の際、柱上トランスに接続されたほかのパワー・コンディショナーと相互に干渉しないことを証明する複数台連系試験が不要になる。ほかのパワー・コンディショナーを使う場合は試験データが欠かせない。試験データがない場合には試験に1〜2カ月ほどかかるので、稼働開始までに時間がかかってしまう。

omron_3.jpg AICOTは多数台連系時の相互干渉を防ぐので、AICOTを搭載しているパワー・コンディショナーを利用していれば連系試験が不要になる

 また、従来技術では柱上トランスを越えた町全体での干渉については試験できない。このため、逆流防止策として太陽光発電システムの設置量を昼間の最低消費電力の7割に制限する、いわゆる“7割ルール”が設けられている。このルールに従うと町全体の1割程度の世帯にしか太陽光発電システムを設置できない。しかし、AICOTならトランスを越えて単独運転を検出できるため、AICOT搭載パワー・コンディショナーを多数設置してあらゆる場所に太陽光発電システムを設置することを実現できるのだ。

 AICOTは電気安全環境研究所(JET)系統連系保護装置の太陽光発電多数台用として認証化され、多数台連系、オムロンは関連特許を公開している。すでに同業他社もこの方式を導入し、新認証を取得している。「太陽光発電システムのさらなる普及を願って、方式に関する特許を公開した。オムロンはこの技術のパイオニアであるという自負を持って、さらなる貢献を目指したい」(大橋氏)。

低圧連系のメリット受けやすい定格容量に

 また、KP□Mシリーズは強制的に冷却するファンがない自然空冷式を採っており、動作音を約29dBに抑えた。さらに、インバータのスイッチング周波数を人に聞こえる騒音が発生しない周波数帯に設定し、静音性を高めている。

 品揃えは定格容量4.4kWの「KP44M-J4」と5.5kWの「KP55M-J4」。低圧連系のメリットを享受することを意識した容量という。両機種を1台ずつ使えば10kW未満になり、5.5kWを9台では49.5kW未満になる。50kW未満の低圧連系であれば、キュービクル式高圧受電設備が必要なくなり、50kW以上のシステムに比べて初期導入コストが小さい。また、電気主任技師を管理者として選任する必要がない、電力会社との連系協議にかかる時間も短縮できるといったメリットがある。

omron_4.jpg 定格容量5.5kWの「KP55M-J4」を9台利用すれば、合計で49.5kW未満となり、キュービクルが不要になる

 オムロンは「9月中旬に製品を発表して以来、販売店様や施工業者様から毎日のように問い合わせがあり、反響の大きさに驚いている」(大橋氏)という。

太陽光発電はメンテナンス・フリーではない

 オムロンはパワー・コンディショナーの提供のほか、太陽光発電システムの設計や施工など、太陽光発電のほとんどの工程にもかかわっている。自社で手がけていないのは太陽電池パネル/モジュールの製造くらいだ。2012年7月には、太陽光発電システムの“見守りサービス”を始めた。遠隔監視システムに発電サイト現地への人材派遣を組み合わせたもので「ソラモニ」の名称で展開している。

 太陽光発電システムはメンテナンス・フリーと思う人もいるかもしれないが、実際は一定の割合で故障が発生するものだ。フィールドテスト事業のアンケート調査では、PVモジュール、パワコンに一定量の修理交換が発生していて、トラブル発見のきっかけは定期点検が21%、日常点検が46%となっており、保守・点検の重要性がうかがわれる。

omron_5.jpg オムロンフィールドエンジニアリング 環境事業部 環境設計部の清水孝信部長

 オムロングループで展開するソラモニは、遠隔監視にとどまらないサービス内容が売りだ。「遠隔監視サービスだけを手がける企業はある。年に1回の現地点検サービスだけを担う企業もある。監視とともに異常を見つけて随時現地へ作業員が対処に向かうサービスは、地場の施工業者を除けば当社のようにトータルに全国でサービス提供しているのは珍しいと思います。日本全国に展開している140の拠点を利用し、現場でしか見つけられない故障や不具合にも対処し、安全面はもちろん、性能面の質も維持していく」(清水氏)。

オムロンは、同社が設計・施工した発電サイトや同社製パワー・コンディショナーを導入したシステムでなくとも保守・管理を引き受け、広くサービスを展開していく考えだ。

見守って問題を見つけ、解決の糸口をつかむ

 監視拠点では、発電量、パワー・コンディショナーのデータ、日射計・気温計のデータなどをサーバに集めて監視している。センサーごとの発電量を比較し、ほかと比べて少ないところがあれば注意深く推移を見守るなどして、異常の発見につなげる。現在はデータの集計や異常の推定を担当者の手作業で行っているが、今後は各種アルゴリズムを採用して自動化を進め、サービスの均質化やコストの低減を図る。

 パワー・コンディショナーは動作していればデータ・ログが残り、異常が発生したときはエラー・コードを表示するため、太陽電池モジュールなどに比べれば故障や不具合を検出しやすく、遠隔での監視にも向く。

 遠隔監視で異常発生の可能性を示すデータを見付けたときは、全国140拠点から作業員が現地に実際に足を運んでシステムの状態を確認する。「パワー・コンディショナーやモジュール、系統の問題は発見できてもすぐ対処できるケースは実は少ない。修理には電気工事を伴うことも多いため、当社は修理を担うというより、問題を特定し、切り分けてメーカーに修理や機材交換の依頼をするのが仕事になる。さらに当社では定期的な点検も実施している。定期的な点検結果と遠隔監視データを組み合わせることにより、近いうちにトラブルを発生させる部分を見つけ出して、トラブルを未然に防ぐのです。トラブルが発生しても迅速に対応できるところがソラモニの長所だが、トラブルを未然に防ぐことはそれ以上に大切だと考えています」(清水氏)。

現物を見て初めてわかるモジュールの異常

 異常発生に対する緊急対応のほか、ソラモニでは定期点検も合わせて実施する。定期点検は日本電気工業会(JEMA)の「小出力太陽光発電システムの保守点検ガイドライン」に準拠。目視点検や絶縁抵抗、接地抵抗の計測など安全性を主眼とした点検項目に加え、ストリング(複数のモジュールを直列で配線したもの)ごとの特性の計測など、発電性能にかかわる項目も盛り込んでいる。

パワー・コンディショナーとは異なり、モジュールの故障は、現地でシステムを見なければわからないことが多いという。目視点検ではパネルの変色やひび割れ、断線などがないか確認し、さらに赤外線カメラで温度分布を見る。異常があれば、その部分が発熱するためだ。現地で点検してみると、パネルを何かの影が覆ってしまい発電できなくなっているということもある。このような場合は顧客に対し、改善を提案するとしている。

 ターゲットは数十kWから数百kWクラスの発電システム。50kW未満であればまずはオムロン製のパワー・コンディショナーを導入しているシステムをターゲットとする。「50kW未満のシステムに対して高コストな設備を整えての維持管理サービスは提案できないが、当社製パワー・コンディショナーが導入されていれば、通常では得られないレベルのパワー・コンディショナーの内部情報を取得でき、一定のサービスが提供できる」(清水氏)。

 オムロンは、中規模・小規模の発電システムをターゲットに据え、公共・産業向けパワー・コンディショナーと見守りサービスを両輪に、太陽光発電事業のさらなる拡大を狙う。

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提供:オムロン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2012年12月27日