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» 2014年05月21日 10時00分 UPDATE

SBエナジー開発部門責任者に聞く、設備認定取消に悩む太陽光発電事業を救う取り組みとは

経済産業省は2014年4月、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)について運用を一部変更した。設備認定を受けて6カ月以内に土地と設備を確保できなかった場合、認定を取り消す。ただし、2012年度に認定を受けた発電所のうち、場所と設備のどちらかが決定している場合などは2014年8月末までに欠けているものを確保できれば失効をまぬかれる。SBエナジーはこうした事業者向けに窓口を設け、サポート事業を展開している。この事業の最前線である「開発部門」の責任者に話を聞いた。

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 SBエナジーは2011年10月に設立されたソフトバンクの100%子会社で、太陽光や風力など、自然エネルギーを利用した発電事業を手掛けている。固定価格買取制度(FIT)が始まる前より、太陽光発電所の建設から運営までの一連の工程をワンストップで数多く扱ってきた経験を持つ。

yh20140521SBE_MrKoda_350px.jpg SBエナジー国内事業本部事業統括部事業開発部部長の幸田宗徳氏

 そんな同社からみて、経済産業省の措置は「悪質なブローカーがかかわる案件を排除するという意味では、極めて合理的」(SBエナジー国内事業本部事業統括部事業開発部部長の幸田宗徳氏。以下、記事中の発言は全て同氏)という。しかし、この措置では、転売目的などではなく、土地の所有者などが太陽光発電事業を実現しようとし、なんらかの理由で進捗が遅れている場合もはじかれてしまう。SBエナジーは再生可能エネルギーの普及を目指す立場から、こうした“惜しい”案件のサポートに乗り出した。

太陽光発電には複数ジャンルのノウハウが必要

 そもそも、悪徳仲介業者などではなく、真剣に太陽光発電事業に取り組む事業者が、設備認定からなかなか着工にこぎつけることができないケースとは、どんなものがあるのか。陥りやすい落とし穴のようなものが存在するのだろうか。幸田氏は「特にここでつまずきやすいという傾向は見えない。相談を受けていると、実にさまざまな理由で事業が暗礁に乗り上げているのが分かる」と話す。

 太陽光発電事業には、開発・建設・運用などさまざまな工程がある。不動産や電気、建設・土木、金融、法令など多岐に渡る分野のノウハウが必要とされる。利害関係者・交渉相手も様々であり、複数ジャンルのノウハウが必要になることから、何がネックになっているのかを事業者自身で理解できないケースも少なくないという。

 しかも、従来は頼る相手もいなかった。「太陽光発電は、固定価格買取制度がなければ採算の合わない段階にある。当然、制度が始まるまでは、この産業に全工程を通して取り組もうという企業は現れなかった。例えば太陽陽電池モジュールのメーカーは土地の造成はできず、架台さえ用意できないことが当たり前だった。だから、事業者が計画途中で行きづまって事業を丸投げしたくなっても、どこにも投げられなかったはずだ」。

 その点、SBエナジーは太陽光発電所に関する全工程に携わってきた経験がある。事業全体の流れを把握していることが、今回のサポート事業においては強みになっているという。「各段階でどのような問題が発生しうるか、それに対してどう対応すればいいか、自社の事業として実際に経験したから分かることがある。一度、自分たちで苦労したからこそ、相談を受ければ、相談者本人が分からなくても、われわれには問題の所在が分かる」。

yh20140521SBE_SagaMS_588px.jpg 2014年5月に営業運転を開始した「ソフトバンク嬉野吉田ソーラーパーク」(佐賀県)。出力は約2MW

 太陽光発電所の計画時には見落とされがちな業務がある。例えば「除草」だ。雑草相手とはいえ、費用は決して小さくない。除草作業の単価が年間100円/m2だとしよう。すると設備容量2MW(面積3ha)の場合は年間300万円。20年間なら6000万円が必要となる計算だ。

 このような業務に関しても「環境に影響を与えずに雑草が生えないようにするには?」「雨水を土地に浸透させる必要があって防草シートが使えない地域ではどうすれば?」「防草シートを貼ったことで近隣の住宅地に大量の水が流れ込んだら?」など、知見があって初めて想定できる課題が多々あるのだという。

全国各地で地元に通じているという強み

 相談を受けて問題を突き止めると、SBエナジーは解決法の提供といった形ではなく、実際に現地で動いて確実に問題をつぶす。「コンサルティングで対価を得るのは、事業者としてのリスクを取る必要がないことから、ビジネスとしてより簡単だが、その太陽光発電事業が実現に至らなければ意味がない。当社の目的は再生可能エネルギーの普及だ」との考えからだ。

 SBエナジーの営業対象エリアは、全国47都道府県。事業部に地域貢献部門もあり、社員が地域の清掃活動に参加するなど、地元との関係構築のための活動を続けている。地域と密に連携し、「その地域ごとに相談すべき相手を知っている」ことが太陽光発電事業を軌道に乗せるうえで重要という。「施工はどこに頼めばよいか、メンテナンスはどの会社なのか。信頼できる業者の見極めは個人では難しい。そこで当社が築いてきた地方自治体との関係が生きる。地元行政から直接、業者を紹介してもらうことはできないが、相談すべき相手を紹介してもらうことは可能だ」。

 例えば、電力会社との契約の段階でつまずいた場合に、SBエナジーが引き継いで交渉するケースでも、地元情報の蓄積と地域密着の体制は役に立つという。「あの人に声をかけておけば事がうまく運ぶという存在がいる、標準語が“東京弁”として敬遠される地域がある、スーツ着用で現場を訪れる者を嫌う人がいる、地元でなければ間に合わない時間・場所の会合が舞い込むことがある。そうした地域事情に対応できる体制を当社は整えている」。

確実に実現しなければならないのは「40円」「平らな土地」「1MW以上」

 多数相談が寄せられる中で、限られた時間で多くの案件を実現するため、SBエナジーは優先的に取り組む案件として「40円」「平らな土地」「1MW以上」を挙げる。

 「40円」とは、2013年3月末までに設備認定と特定契約を済ませ、買取価格40円/kWh(税別)での売電ができる案件。「平らな土地」は、造成費用が少なくて済む案件。1MW以上はもちろん発電規模のことだ。実際にはさまざまな要素が絡むため、必ずしもこれを満たせば可、満たさなければ不可とはならないが、一定の基準ではあるという。

 「当社はこの事業で得た収入を最大限、再生可能エネルギー事業に再投資していく。36円、32円と買取価格が年々下がる中で40円の案件はやはり実現可能性が高い。再生可能エネルギー事業の源泉としたい。当社に賭けようという思いも40円案件の持ち主のほうが強いはずだ。例えば、40年ほど塩漬けになっていた土地をやっと有効利用できると思っていたら、認定が取り消されてしまったなどという場合があるとしよう。同じ土地で今度は32円で認定を取り直して事業化できるかといえば難しい。いま社会的意義が高く、活用できていなかった土地を有効に活用できる機会を失うのはもったいない。しっかりサポートしていきたい」。

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提供:SBエナジー株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2014年6月20日