「視力を失った父に、AIを使わせてあげたい」 プログラミング未経験の娘が「季語ツール」を開発するまで(3/3 ページ)

 100の季語とその意味を読み上げるだけのシンプルなツールだが、父はとても喜んでくれた。「『こんなことができるのか! いいねえ』と言ってくれて」。

 俳句は、季節の移り変わりや旅先の景色などを詠むことが多い。目が見えれば、季節の食べ物を見かけたり、木々の色づきを見たりして句を連想できるが、見えないとそれができない。

 父もある程度の季語は頭に入っているが、忘れていたり、いつの季節か分からなくなった季語もある。音声で今の季語を教えてもらえれば、「自分がその季語の世界に入っていったら、どんなことがあるだろう」と想像しながら句が詠める。

 ツールは日々改善している。「同じ季語が繰り返し再生されてしまう」と父から指摘を受け、重複しないよう修正し、季語の数を200に増やしたバージョン2を開発。父に渡したところとても喜び、何度も何度もタップしてくれたという。

「自分にもプログラミングができるかもしれない」

 AIとのツール開発について、「自分でコードは書いていないけれど、うまくいかないとすごく悔しい。なんとかして出来上がらせてやりたいと思えるのは、すごく面白かった」とnidoneさんは振り返る。

 「プログラミングが分かるようになりたい」とも思うようになった。まったく分からないまま開発すると、すべてがブラックボックスになり、修正方法も分からないからだ。ただAIは、どこでエラーが発生し、どこを修正しているかをその都度教えてくれるので、「説明を理解するよう努力すれば、もうちょっと分かるようになるかも」と期待している。

 「何かを作るという手段としてプログラミングがあるのは知っていたし、面白そうだなって思うけど、自分にできると思わなかった。でも今は『もしかしたらできるかも』って思い始めてる」。

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岡田有花

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