発表以来、IT業界を騒がせる次世代大規模言語モデル「GPT-4」。さまざまな業界で「本気でAIに仕事を奪われるのでは」と話題だ。コードを瞬時に生成できることから、ITエンジニア間でも「廃業になりそう」「未経験からエンジニアになるハードルが高くなる」などの声がSNSで見られる。
とはいえ、「AIに仕事を奪われる」言説はことあるごとに唱えられすぎて信ぴょう性が薄くなってきている。「どうせまた大言壮語でしょ」と思いつつ、GPT-4でアプリを作れるか試してみたら、できてしまった。IT系Webメディアで記者をしている身ではあるが、エンジニアとして経験があるわけではなく、プログラミングも素人同然だ。そんな記者でもできてしまったのだ。
今回作ったのは、「指定のファイル内にある画像を全てJPEGに変換するアプリ」だ。記者は画像をITmedia NEWSに掲載するとき、一部の例外はあるが基本的にJPEGで載せている。一方、企業から画像の素材をもらうときなどは、必ずしもJPEGで送られてくるとは限らない。
フリーの一括変換ツールなどもあるが、スピードが遅かったり、無料だと大量には変換できなかったりと面倒も多い。そこでGPT-4に任せてみたわけだ。
まず、GPT-4に「画像ファイルを入れると、その全てをjpgに変換するアプリを作りたいです。コードを教えてください」とオーダーした。返事はこんな感じだ。
(1)フォルダA(今回は「in」フォルダと名付けた)に画像を入れる、(2)スクリプトを実行する、(3)フォルダB(「out」フォルダと名付けた)に変換結果が出てくる──という仕組みだろう。
「じゃあpip install pillowを入力して、Pillow ライブラリとやらをインストールするか」と思ったが、ここで問題が発生した。文面通りに受け取ると、pip install pillowをどこに入力すればいいのか分からない。記者は「Python入れてコマンドプロンプトから実行ね」と察しが付くが、仮に本当にIT知識がゼロならこの説明では通らないだろう。
というわけで、ちょっと意地悪するつもりで「『pip install pillow』はどこでどのようにすればインストールできますか」と聞いた。返答がこれだ。
しかし、この通りにしてもエラーが出る。それもそのはず、このとき使っていたPCにはpythonをインストールしていないからだ。その疑問もそのままぶつけてみる。
MacとLinuxを使う場合のケースまで教えてくれた。全部いう通りにするとPillow ライブラリをインストールできた。あとはさっき出てきた「convert_to_jpeg.py」を作成し、入出力先を指定して最後のコマンドを打ち込むだけだ。
しかし、再び問題が発生した。GPT-4のいう通りにしてもエラーが出て動かないのだ。エラーメッセージを見るに、どうやら何かの13行目で問題が出ているらしいが、記者はエンジニアではないので察しがつかない。仕方ない。エラーメッセージの意味をそのまま聞いてみよう。
なるほど、さっき提示してくれたコードに問題があるのか。具体的な改善策まで示してくれたので、いう通りにする。再度実行すると、またエラー。今後は15行目に問題があるらしい。同じ方法で修正する。
同じ作業を繰り返すと、今度は「Error: Cannot convert <画像ファイル名>」という別のエラーが出てきた。GPT-4に相談すると、コードを書き直してくれた。これを実行すると、当初想定した「ファイル内の画像を全てJPEGに変換する」機能が実現できた。
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