「使徒みたい」と話題、4本腕ロボ「HL-ZERO」はなぜあの見た目に? 万博で製作陣に聞いてきた(1/3 ページ)
「エヴァの使徒みたい」「神々しいまである」──9月4日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)での展示が発表されると同時に、そのビジュアルがXで大きく話題になった4本腕の人型ロボット「HL-ZERO」。16日には実際に展示がはじまった。
会場となる「ロボット&モビリティステーション」では、HL-ZEROに加え開発元のアスラテック(東京都港区)が携わる他のロボットも並び、多くの人が詰めかけた。17日には、断続的な入場規制も敷かれていたほどだ。
現地ではHL-ZEROが腕を広げたり、うつむくように動いたりする動作も披露。来場者からは「ウルトラマンみたい」「なぜこんな見た目に……」といった声も漏れ聞こえた。実はHL-ZEROの腕の数や神秘的な雰囲気には、しっかりとした意図があるという。メカニックデザイナーの天神英貴氏に会場で詳細を聞いた。
金属の骨組みをバルーンで覆ったHL-ZERO
HL-ZEROの開発は、アスラテックと天神氏、バルーン造形やエアー着ぐるみの制作を手掛けるピアニジュウイチ(埼玉県飯能市)が新たに設立したチーム「HELIOSLIVE」(ヘリオスライブ)が手掛ける。天神氏は「機動戦士ガンダム」「超時空要塞マクロス」系プラモデルなどのパッケージイラストを手掛けた他、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズなどにメカニックデザイナーとして参加した経験もある人物だ。
HL-ZEROは、金属の骨組みをバルーンで覆ったロボット。シルバーとブラックの外装で、自由に動く4本の腕を持つ。大きさは約2(幅)×約2(奥行き)×約4(高さ)mで、本体重量は約50kg。骨組みはアルミニウムでできており、全身に15個ある関節は、モーターと減速器で駆動する。動作の制御には、アスラテックのロボット制御システム「V-Sido」(ブシドー)を採用。屋内での利用を想定しており、AC100V対応のため一般的なコンセントからの電源供給でも動くという。
HL-ZEROは、ヘリオスライブが4日に販売を開始した、空気で膨らむ外装を金属の骨組みで動かす新たなコンセプトのロボット「PNEUMATIC BOT」(ニューマティックロボット)のレファレンスモデルに当たる。ニューマティックロボットは、外装設計の自由度の高さや、空気で外装を膨らませて弾力を持たせる安全性の高さなどが特徴で、アトラクションなど商業施設やイベントでの利用を見込んでいるという。
「要するに素体」 発展性示すための“ゼロ号機感”
天神氏はHL-ZEROの外見について「要するに“素体”」と表現する。「これそのものを売りたいわけではなく『今後あらゆるニーズに対応できる』ことを示すための見た目」という。
先述の通り、HL-ZEROはニューマティックロボットのレファレンスモデルに当たる。実際にはもっとディテール豊かにしたり、腕ではなく翼をつけたりと、違った見た目にすることも可能という。「例えば後ろの腕が翼だったら天使や神になる。大砲やバックパックにして動かすこともできる。動物型や恐竜型もできる」と天神氏。
主な素材がバルーンのため、コストも比較的安い。他のロボットでは難しい、子どもが触ったり抱きしめたりできる形での展示や、ロボット同士で戦う催しもやりやすい。そういった発展性を示しつつ、見た人の印象に残るパーツとして、4本腕を選んだ──というのが、独特の見た目が生まれた背景という。
神秘的な外見にしたのも同様の理由だ。“ゼロ号機感”を出すため、他のIPを抵触しないようにしつつ、男性的でも女性的でもない中性的な雰囲気を意図した。
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