Sakana AI、一部「ミュトス越えの性能」うたうAIを提供 複数モデルの“集合知”を活用
Sakana AIは6月22日、複数のAIモデルを組み合わせてタスクをこなすAIシステム「Sakana Fugu」の提供を始めると発表した。上位版の「Fugu Ultra」は、一部のタスクで、米AnthropicのAIモデル「Claude Mythos Preview」や「Fable 5」を超える性能をうたう。通常版の「Fugu」と共にAPIを通じて利用できる。
Sakana Fuguは、複数のAIエージェントを組み合わせた「マルチエージェントシステム」。ユーザーのリクエストの難易度に応じてAIモデルを選び、必要があれば専用のAIエージェントのチームを作って連携させる。処理は内部で完結するため、ユーザーはAPIから1つのAIモデルと同じように使える。
Fugu Ultraは、AIエージェントのプログラミング性能などを測るベンチマーク「Terminal-Bench 2.1」で、Fable 5より高いスコアを獲得。複雑な図表を読み取る性能を測定する「Charxiv Reasoning」では、Claude Mythos Previewのスコアを上回ったとアピールする。一方、幅広い学問の知識を問う「Humanity's Last Exam」のスコアなどは、Fable 5に及ばなかったという。
FuguとFugu Ultraはいずれも米OpenAIのAPIと互換性を持つ単一のAPIを通じて利用できる。個人向けのサブスクリプションプランに加え、法人向けの従量課金プランも用意する。
サブスクリプションプランの価格は、標準の「Standard」が月額20ドル、Standardの10倍の利用枠がある「Pro」が月額100ドル、Standardの20倍の利用枠がある「Max」が月額200ドルで、全てのプランでFuguとFugu Ultraどちらも使える。
法人向けの従量課金プランの価格は、FuguではAIエージェントが1つだけ稼働した場合、その基盤モデルの標準レート料金になり、複数のAIエージェントが稼働した場合、その基盤モデルのなかで最上位のモデルのレート料金になる。Fugu Ultraでは、入力が5ドル(27万2000トークンを超えると10ドル)、出力が30ドル(27万2000トークンを超えると45ドル)、キャッシュ入力が0.5ドル(27万2000トークンを超えると1ドル)。
“ミュトス停止騒動”も念頭に
Fable 5とClaude Mythos Previewの後継モデル「Mythos 5」を巡っては、Anthropicが6月10日に提供を始めた3日後に、米政府の命令によって提供を一時停止する騒動があった。
これを受け、Sakana AIは「規制の枠組みや輸出管理、各国の政策が変われば、(AIモデルへの)アクセスの条件は一夜にして変わり、あるいは断たれてしまうこともありえる」と指摘する。「組織にとっても国家にとっても、重要インフラや金融、行政を1社のAPIに頼って動かすことは、現実的な弱点になりえる」(Sakana AI)
Sakana Fuguの提供では、こうしたAIモデルの利用停止措置のリスクも念頭に置く。Sakana Fuguが内部で利用するAIモデルは必要に応じて入れ替え可能であり、アクセス制限の影響を軽減できるとうたう。今後は、Sakana AIが開発するAIモデルやオープンモデルも含め、新たなモデルをSakana Fuguの内部の選択肢に加えていく方針だ。
【修正履歴:2026年6月22日午前10時43分】記事に掲載していたFuguとFugu Ultraのベンチマーク結果の画像を最新のものに差し替え、価格の詳細について追記しました。
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