Meta、ローカル動作に特化したオープンモデル「Muse Glimmer」公開 Apache 2.0で提供
米MetaのAI研究部門Meta Superintelligence Labs(MSL)は8月10日(現地時間)、オープンウェイトのAIモデル「Muse Glimmer」を公開した。パラメータ数は約296億で、ライセンスはApache 2.0。Hugging Faceでウェイトを配布している。MacやPCのコンシューマー向けGPU1基で動作し、常時稼働のローカルエージェント用途を想定する。Metaがオープンウェイトモデルを公開するのは、2025年4月の「Llama 4」以来だ。
Muse Glimmerは、Metaの「Muse Spark」を教師モデルとして蒸留したマルチモーダルモデル。用途としては、複数ステップの計画立案や逐次的なツール呼び出し、失敗からの復帰を伴うローカルAIエージェントのほか、コーディングエージェント、スクリーンショットや図表を扱うマルチモーダル推論、合成データ生成、LLM-as-a-judgeによる評価などを挙げる。入力はテキストと画像、出力はテキストのみで、学習データは100以上の言語をカバーする。コンテキスト長は13万1072トークン以上で、推論の強さはlow/medium/high/xhighの4段階から選べる。「OpenClaw」などのエージェント用スキャフォールドとも組み合わせられるとしている。
ローカル動作のための最適化も施した。完全精度では55GBを超えるメモリが必要になるが、約4bitに量子化することで言語モデル部分を20GB未満に圧縮。KVキャッシュや画像認識用のエンコーダーを含めても24GBまたは32GBのVRAMに収まるとする。同社の測定では、15種のベンチマークの平均精度の低下は、24GB向けの構成で1.0%、32GB向けで0.2%にとどまったという。
ベンチマークでは、米Googleの「Gemma4-31B」や中国Alibabaの「Qwen3.6-27B」と比較して同クラスで高い性能を示したと説明する。公開された数値では、エージェント関連の「MCP Atlas」で75.5、「DeepSearch QA」で74.6、コーディングの「SWE-Bench Pro」で51.2、数学の「AIME 2026」で94.7と2モデルを上回った。一方で「OSWorld-Verified」「SWE-Bench Verified」「TerminalBench 2.1」などはQwen3.6-27Bが上回った。いずれもMetaによる測定値だ。
安全性については、Muse GlimmerはMuse Sparkより能力が低いため、同社の「Advanced AI Scaling Framework」が定義する「フロンティアAI」には該当しないとしつつ、化学・生物、サイバー、制御喪失のいずれも「中程度以下」のリスクと評価したと説明する。エージェント特有のリスクとして、不可逆な操作の実行前の確認や、間接的なプロンプトインジェクションへの耐性も評価したという。ただし、プロンプトインジェクション耐性を測る「Siren AgentDojo」の攻撃成功率(低いほど良い)は28.4%で、Gemma4-31Bの25.6%を上回った。
実行環境は、Ollama、LM Studio、Unslothなどのローカル実行ツールや、llama.cpp、ExecuTorch、MLXなどのエッジ向けフレームワーク、大規模提供向けのvLLMやSGLang、Together AI、Fireworks AI、OpenRouterなどに順次対応する。MSLを率いるアレクサンドル・ワン氏はXで、これらは今週中に利用可能になり、llama.cpp、MLX、ExecuTorchも続くと説明した。米AMD、英Arm、米Dell、米Intel、米NVIDIAとも各デバイス向けの最適化で協業するという。
ザッカーバーグCEOはXで、Muse Glimmerに続いて最新の基盤モデル「Muse Spark 1.2」のウェイトも近く公開すると明らかにした。ただし時期やライセンスは示していない。同氏は同日、超知能に関する論考も公開し、その中で“オープンソース”モデルの公開を再開すると表明していた。
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