Meta、「Muse Spark 1.3」公開 コーディングとエージェント性能を強化 「最大の飛躍」とザッカーバーグCEO

 米Metaは9月2日(現地時間)、AIモデル「Muse Spark 1.3」を発表した。開発者向けの「Muse Code」と「Meta Model API」で同日から提供を始めている。エージェント的なタスクとコーディングの性能を高めたのが特徴で、同社は実運用での使いやすさも改善したとしている。

(画像:Meta)

 Muse Sparkは、Meta Superintelligence Labs(MSL)設立後初のAIモデルとして4月に発表されたネイティブマルチモーダル推論モデルで、1.3はその最新版に当たる。

 エージェント用途では、長時間にわたる作業を継続する能力を高めた。曖昧な指示に対しては意図を問い直す質問を返し、行き詰まった際にはユーザーに助けを求め、影響の大きい操作の前には事前に確認を取るという。

 複数の作業が混在する単一スレッド内でも、新しい指示を正しいタスクに割り当てられるようになった。自身の能力と限界の認識も改善し、つまずいた場合に結果を捏造せず、行き詰まった事実を伝えるよう学習させたとしている。

 コーディングでは長期的なタスクでの訓練を増やした。Metaの技術者による比較では、従来モデル「Muse Spark 1.2」と比べてツール呼び出しが約20%、トークン消費が約25%少なく、不要なやり取りを減らして冗長さも抑えたという。

 安全性については、敵対的な入力やプロンプトインジェクションへの耐性を高めたほか、不可逆な操作かどうかの判断精度を改善したと説明している。

 推論モードは従来提供していたものを同日から利用できるが、最も高い「max reasoning」は追加の安全性テストを終えた後に提供するとしている。

 同社が公開したスコア表では、従来モデルのMuse Spark 1.2に加え、米OpenAIの「GPT-5.6 Sol」、米Anthropicの「Claude Opus 5」と比較している。コーディング系の3項目では、いずれもMuse Spark 1.3が最高スコアで、長期的なエージェント型コーディングを測る「DeepSWE v1.1」では75.4を記録し、1.2の55.0から大きく伸びたほか、Opus 5の74.0とGPT-5.6 Solの73.0も上回った。長文脈の読解力を測る「MRCR」の512K~1Mトークン区間では98.1と、1.2の55.5、GPT-5.6 Solの73.8を引き離している(Opus 5はスコアなし)。一方、エージェント系の6項目では、知識労働タスクを扱う「GDPVal-AA v2」など4項目でOpus 5が最も高いスコアを示した。

Metaが公開したベンチマーク比較。青字がMuse Spark 1.3(画像:Meta)

 マーク・ザッカーバーグCEOはXで「コーディングとエージェント的な作業において、これまでで最大の飛躍だ」と投稿し、「計測する必要もないほど安価なフロンティア性能」とアピールした。アレクサンダー・ワンCAIO(最高AI責任者)も同様に、無駄なやり取りが減り、長時間のタスクでも要件を保持し続けられる点を強調している

 今後については、より大規模なモデルや、最終的な安全性ファインチューニングを経た「Muse Spark 1.2」のオープンウェイト公開を予定しているという。なお両氏はX投稿でスイカの絵文字を使っており、「watermelon」が次期モデルのコードネームとみられる。

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