水族館で泳いでいたのは“メカジンベエザメ”だった──そんな報道が話題になっている。シンガポールのニュースメディア「8視界新聞」は10月13日(現地時間)、中国の水族館で展示していたジンベエザメが本物ではなくロボットであったため、一部の客が返金を要求したと報道。日本のニュースメディアもこれを取り上げたところ、Xのトレンドに「メカジンベエザメ」が入るなど、注目を集めている。
メカジンベエザメを展示していたのは、中国・深センで最大の水族館といわれる「小美沙海洋世界」。同館は「ジンベエザメの生体取引は禁止されている」などの理由から、ジンベエザメのロボットを展示しているという。しかし、一部の客が不満を漏らし、水族館に対して返金を求めたとシンガポールメディアは報じた。
一方で、「実際にジンベエザメを捕獲せずに、別の方法でジンベエザメを展示するのは環境にやさしい」と述べる意見も同誌は紹介している。なお、水族館側はメカジンベエザメの製作費には「数百万人民元(1人民元21円換算で2100万円の数倍程度)かかった」と明かしている。
このメカジンベエザメは一体何者なのか。米国の動画コンテンツ制作会社・StringerHubによると、中国国営の宇宙開発企業・中国航天科工集団傘下の研究グループが開発したロボットだという。全長は約5m、重量は350kgで本物のジンベエザメの動きなどを再現できるとしている。
また、ロボットには7つの可動関節がある。各関節にはコンピューティングや通信、センシング技術などを搭載しており、これらも全て同社が用意しているという。他にも情報収集用のセンサーとカメラを載せており、水質監視や海底地形調査など、さまざまな用途での使用を視野に入れている。
なお同社ではジンベエザメの他にも、イルカやシャチなどのロボットの開発も進めている。
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