4月16日に最新モデル「o3」が登場し、その利便性がさらに取り沙汰される「ChatGPT」。誤って「ChatGTP」とも呼ばれがちだが、なんと20日ごろに「ChatGTP」(GPTではない)というスマートフォンアプリが、App Storeにおける日本の無料アプリ総合ランキングで上位になった。人気ゆえか、誤認を狙ったとみられるアプリにも注目が集まってしまっているようだ。
アプリストアの表記によれば、ChatGTPは2024年に登場。料金は月額2.99ドルか年額8.99ドル、買い切りの場合は12.99ドルで、AIモデル「gpt-4」(原文ママ)を使いコーディングや作詞をしたり、料理のレシピを聞いたりできるとうたう。
しかし21日時点のレビューでは「ChatGPTの偽物」「使い物にならない」「インストール直後に約3000円の課金を求められる」という声が多数あり、評価も星5つのうち2.9だった。一方、無料アプリの総合ランキングだけでなく「ユーティリティ」のランキングでも1位になるなど、注目を浴びている。
サービスの提供元は「Longnan Gezhi Network Technology」なる組織。他に手掛けるサービスがあるかなどを調べたが、ChatGTPの提供以外にめぼしい情報はなかった。
ChatGPTを巡っては、o3の登場に加えて、3月に登場した新しい画像生成機能が話題だ。例えばペットを擬人化したり、「ビックリマン風」など、特定の画風に変換してネットプリントしたりする方法がライフハックとしてSNS「Theads」「Instagram」で流行している。
写真をジブリ風に変換する行為「ジブリフィケーション」として流行したが、こちらは嫌悪感を示す人も多く、Xなどで物議に。衆議院内閣委員会でも取り上げられた。一連の動向もあり、ChatGPTの認知がこれまで以上に広がった結果、ChatGTPにも注目が集まってしまった可能性がある。
今回ランキング上位に上がった「ChatGTP」の素性は不明だが、ITサービスの中には、著名なサービス・アプリとの誤認を狙い、情報を窃取しようとするものもあるため、注意が必要だ。
例えばメールドメイン「gmail.com」に対する「@gmai.com」「@gmeil.com」などが代表的だ。このようにタイプミス・誤認識しやすいドメイン名は「ドッペルゲンガー・ドメイン」とも呼ばれ、中にはユーザーが誤ってアクセスしたり、メールを誤送信したりするのを狙って取得されるものもある。
ちなみに、ChatGPTの「GPT」は「Generative Pretrained Transformer」の略。誤ってGTPをインストールしないためにも、頭に入れておくといいかもしれない。
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