しかし一部のアナリストは、今回の決算はAIバブル懸念を完全に払拭するには十分ではない可能性があると指摘する。
米金融会社Stifelのアナリスト、ルーベン・ロイ氏は「AIインフラ支出の伸びが持続可能ではないという懸念は今後も衰えることはないだろう」と語った。
NVIDIAのビジネスは第3四半期に集中化がさらに進み、4社の顧客が売上高の61%を占めた。この割合は第2四半期は56%だった。
またAI企業への投資を拡大しており、最重要顧客などへの投資は数十億ドルに上るなど、AI経済の資金循環にも懸念が高まっている。
自社製半導体をクラウド顧客からレンタルバックする戦略への投資も急増させており、契約総額は260億ドルと、前四半期の126億ドルの2倍以上に達した。
米調査会社Summit Insightsのアナリスト、キンガイ・チャン氏は、「業績と見通しはコンセンサス予想を上回ったが、投資家は、顧客の設備投資増加の持続可能性やAI分野における循環型資金調達について、引き続き懸念するだろう」と述べた。
一方、米国の輸出規制により中国への取引が大きく制限されているため、NVIDIAは新たな成長の道として中東を開拓している。
米商務省は19日、Blackwellをサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の企業2社に対して最大3万5000個輸出することを承認したと発表した。
NVIDIAがコントロールできない要因が成長を妨げる可能性もある。
米調査会社eMarketerのアナリスト、ジェイコブ・ボーン氏は「GPUの需要は引き続き非常に高いが、大手顧客がこの能力を実際に十分な速度で利用できるかどうかが投資家の焦点となっている。問題は電力、土地、グリッドアクセスにおける物理的なボトルネックが26年以降、この需要を早期に収益拡大につなげる妨げになるかだ」と語った。
フアンCEOはアナリストとの電話会見で、成長に対する最大の制約は何かとの質問に、業界の規模、新しさ、複雑さに触れながらも明言しなかったが、AIを巡る変革にはサプライチェーン(供給網)、インフラ、資金調達にわたる慎重な計画が必要だと述べた。
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