Gmailの個人的なメールメッセージや添付ファイルがAIモデルの学習に使用されている──そんな主張がXで話題になった。11月中旬、海外のあるXユーザーが「Gmail利用者の全てのプライベートメッセージと添付ファイルに対して、AI学習のためにGoogleがアクセスすることが自動的に許可されている」と投稿したのだ。
Googleでは「スマート機能」として2021年ごろから、メールの返信文の提案や内容の要約、スペルチェック、メールの分類などを可能にする便利機能を提供している。利用には、Gmailなどのデータが「各ユーザーに合わせてより使いやすいようにアプリが最適化されることへの同意」が必要だ。海外のXユーザーは、これが自動的に許可されていると主張していた。
この主張についてGoogleの広報担当者は、米The Vergeに対して「これらの報道は誤解を招くものだ。私たちは誰の設定も変更しておらず、Gmailのスマート機能は長年存在しており、Gemini AIモデルのトレーニングにGmailのコンテンツを使用していない」と否定している。
このようにGoogleは、Xでの主張を否定しているものの、プライバシーの観点からスマート機能の存在に不快感を覚えるユーザーも存在する。スマート機能を使う・使わないのいずれにせよ、この機能を選択的に利用できることと、利用にはどんな情報を提供しているのかを認識しておくことが重要になる。
特に注意すべきは、スマート機能がデフォルトで有効になっている場合があることだ。無効化を希望する場合は、Gmailの設定から手動で変更する必要がある。
具体的な手順は、設定(歯車マーク)から「すべての設定を表示」を選択し、画面をスクロールして「スマート機能」の項目をオフにする。さらにその下にある「Google Workspaceのスマート機能」の2箇所もオフにすることで、無効化できる。
「AIが国民の『知る権利』阻害する恐れ」 新聞協会、政府のAI基本計画に提言 学習データの透明性確保求める
民放連、生成AI巡り声明 “無許諾での学習”取りやめなど要求 加盟社のアニメに酷似した映像を確認
AI音声「にじボイス」、“権利侵害はない”のにサービス終了へ 日俳連から「声優に酷似」と指摘受け
AIはマンガ家の“過酷な制作環境”を救えるか 「作家専用AI」で絵柄を再現する「THE PEN」の挑戦
中国DeepSeekから新LLM「V3.2-Speciale」 「GPT-5超え、Gemini-3.0-Proに匹敵」うたうCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.