画像生成は「やらない」 “安全なAI”で日本市場を攻めるAnthropic、日本代表に聞く差別化のポイント(1/3 ページ)
AIモデル「Claude」を開発する米Anthropicが日本での事業展開を進めている。2025年8月には、日本法人であるAnthropic Japanを立ち上げると発表。代表には、米MicrosoftやGoogle Cloud Japanを歴任し、クラウドサービスを手掛ける米Snowflakeの日本法人代表も務めた東條英俊氏を指名した。
10月には、アジア太平洋地域で初の拠点となる東京オフィスを開設した。来日したAnthropicのダリオ・アモデイCEOは、高市早苗総理大臣と会談。AIの安全性の評価手法を検討する日本の政府機関「AIセーフティ・インスティテュート」と、AIの評価に関して協力するとの覚書を締結した。
Claudeは、同モデルを活用したAIコーディングツール「Claude Code」をはじめ、コーディング性能の高さに定評がある。日本では、楽天グループや野村総合研究所(NRI)、パナソニックなどがClaudeを既に導入し、業務を効率化している。またAnthropicによると、アジア太平洋地域全体での年間経常収益は、過去1年間で10倍以上に成長したという。
Anthropicは、どのような戦略で日本でのビジネスを拡大していくのか。25年12月、ITmedia AI+の単独取材に応じた東條代表に、Anthropic Japan設立の背景や日本市場での勝ち筋などを聞いた。
なぜAnthropic Japanを設立したのか
――Anthropic Japanと東京オフィスの設立の経緯について教えてください
東條代表 私が入社した8月時点で、日本のお客さまの利用がかなり進んでいました。楽天グループやNRI以外にも、公開できない事例が多くあります。米国本社から見たとき、日本ではオーガニックグロース(自社のサービスなどを活用して成長する戦略)で非常に伸びていました。
そこで「日本にこれだけユーザーがいるのであれば、日本人のスタッフが現地でしっかりサポートした方が良い」ということで、Anthropic Japanと東京オフィスの設立に至りました。ですので日本法人は、基本的には法人向けサービスを展開し、日本企業のClaudeの導入を支援します。
――Anthropic Japanの規模感を教えていただけますか
東條代表 残念ながら、具体的な社員数はお伝えできません。しかし法人向けに活動は強化していきます。われわれの良さを直に伝えるため、営業やアプリセールスエンジニア、ソリューションアーキテクトなどたくさんのメンバーが必要です。
何千人まで増やせるかといえば、決してそんなことはないと思いますが、日本の法人をお客さまとする場合、支えとなるパートナーの存在も大きい。われわれからパートナーエコシステムを作っていくパートナー担当も含め、積極的に人材を採用しています。
――8月のAnthropic Japanの代表就任以降、この数カ月で手応えはありましたか
東條代表 具体的に顧客企業の名前を出すことはできませんが、特にClaude Codeを中心に、大企業からも引き合いを多数いただいています。ITエンジニアを抱えてる企業はもちろん、開発を外部委託している企業、委託を受けるSIerを含め、開発の現場が今までとは大きく変わるのではないかと考えています。
例えば、従来であれば何億円も支払い、何十人で実施する開発プロジェクトでも、極めて短期間かつわずかな人間の指示だけで、あとはAIによって実現されるといった事態を想定できます。
今すぐではありませんが、さらにAIモデルが進化し、より自律的にいろんなことができるようになれば、1年後、3年後、5年後には、ビジネスモデル自体が変わる。ある意味でディスラプティブ(破壊的)な変革が起きるのではないでしょうか。
日本市場におけるAnthropicの勝ち筋とは
米OpenAIや米Googleをはじめ、日本市場で競合するAI企業が複数あるかと思います。Anthropicはどのような戦略で挑むのでしょうか
東條代表 われわれのミッションが大事だと思っています。Anthropic設立の趣旨は、安全なAIを提供することです。この安全なAIについては、今後AIモデルがよりパワフルになっても、しっかり取り組んでいきます。
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