画像生成は「やらない」 “安全なAI”で日本市場を攻めるAnthropic、日本代表に聞く差別化のポイント(2/3 ページ)
一方で日本は、安全や安心、リスクマネジメントの意識が高い国です。企業の皆さんもセキュリティやコンプライアンスを含めた安全性を強く意識しており、Anthropicとの親和性も非常に高いと思ってます。
これはもう勝機以外の何ものでもない。まだ始まったばかりですが、これから時間をかけて受け入れてもらえるのでは、という感覚をこの数カ月間で得ました。
もう1点、足元を見ると、日本の開発者にはClaude Codeを幅広く使っていただいています。これも短期的には大きな勝機と捉えています。Claude Codeの性能は、今後AIモデルの発展とともにさらに上がることが予想されます。効率化や自動化が進み、開発者の皆さんにより役立つものになるのではないでしょうか。
――安全性について詳しく教えてください
東條代表 例えば、われわれは「Constitutional AI」という独自の手法でAIモデルを訓練しています。これは、人間のフィードバックだけでなく、一連の原則に基づいて、AIが自己改善していく手法です。できるだけ有害なアウトプットを減らしながら、ユーザーの要求に対して過度に回避的にならないようバランスを取っています。
「知らないことを知らない」といえる誠実さをAIが備えているか、という点もあります。知らないことを出力すればうそをつく、つまりハルシネーションにつながります。また不確かなことに対しては、できるだけ注釈を付けて出力するという対応も考えられます。
他には、データレジデンシー(データの保存場所)やコンプライアンスの問題などもあります。セキュリティを担保して、法人向けで使えるレベルの要求はクリアできるようにしています。
――具体的にはどのようにサービスを提供するのでしょうか
東條代表 AnthropicのAPIに加え、米Amazonが提供するクラウド型のAIサービス「Amazon Bedrock」や、Google CloudのAIプラットフォーム「Vertex AI」を通じてAnthropicのAIモデル提供します。現時点で、その他の提供形態は考えていません。
――AIと安全性を巡っては、国内インフラでシステムを完結させる「ソブリンAI」が注目を集め、日本企業が開発したAIモデルも登場しています。Anthropicの対抗策・優位点はありますか
東條代表 出力のクオリティーの高さを見ていただくと、答えは出やすいかなと思ってます。われわれの最上位のAIモデル「Claude Opus 4.5」は「ハイブリッド リーズニング」(異なる推論モードを適宜切り替える手法)を採用し、巨大なコンテキストウィンドウ(一度に処理できるデータ量)を持っています。思慮深く文脈を理解でき、大量にデータを与えてもロストしません。
確かに局所的には、あるドメイン特有の国産LLMの活用もあるとは思います。しかし汎用的なLLMとしては、AnthropicのAIモデルの高いクオリティーを評価していただいています。
画像生成は「できないのではなくやらない」
――日本市場での展開で、課題を感じている部分があれば教えてください
東條代表 チャレンジは、今はあまり見えてきていません。ただ、われわれは画像生成をしません。他社のAIモデルはやっていますが「安全や安心の観点からやらない」とアモデイCEOも言っています。「できないのではなくやらない」ということです。
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