IIJのエンジニアは、生成AIを業務にこう役立てる 開発リーダーの活用術:トップ人材は、生成AIをこう使う
エグゼクティブやインフルエンサー、企業内のAI活用推進者などの生成AI活用法に注目。今回は、IIJでネットワークマネジメントサービスの開発リーダーを手掛けつつ、社内のAI活用支援に取り組む藤本椋也さんのAI活用術を紹介する。
ChatGPTの登場から数年。後続サービスも続々と誕生し、ビジネスにおいて生成AIの活用は当たり前になりつつある。一方、毎日のように更新され続ける情報に追い付けず、まだその真価を発揮し切れていないという人も多いだろう。
そこで本連載では、エグゼクティブやインフルエンサー、企業内のAI活用推進者などの生成AI活用法に注目。圧倒的な実力を発揮する“トップ人材”たちは、どんな生成AIをどのように使いこなしているのか。そしてそんな人材を抱える企業は、どのようにAIを利活用しているのか──業界や職種を問わず追いかける。
今回は、IIJ(インターネットイニシアティブ)でネットワークマネジメントサービスの開発リーダーを手掛けつつ、社内のAI活用支援に取り組む藤本椋也さん(ネットワーク本部 基盤プロダクト開発部 応用開発課 兼 社長室 兼 サービス企画推進本部 AI事業推進室)によるAI活用術を紹介する。
藤本さんが利用するAIサービス・モデル
- GitHub Copilot: サービスの開発に利用しています。もう手放せません。社内GitHubの管理を行っている流れから、社内への導入自体も行いました。
- ChatGPT: 思考を整理するための壁打ち役をやってもらうことが多いです。対話形式でのやりとりの感触が一番好きで使っています。
- Perplexity: Google検索の代替として、最近はこちらをよく使うようになりました。ちょっとしたツールの使い方などは検索してブログを見にいくよりも直接答えを返してくれるので便利です。
- Microsoft 365 Copilot: 最近社内で使えるようになりました。社内情報も書き込めるので、だんだんと依存度が上がっています。
本人コメント
メインの業務は開発なので、やはりGitHub Copilotへの依存度が一番高いです。最初のころは「賢いコード補完」くらいの印象だったのですが、最近は「思考を先読みされている!?」というくらい、的確にコードを生成してくれます。地味なところとして、forの書き方などちょっとした文法や書き方をいちいち検索しなくて良くなったのが大きいですね。いろいろな言語を触っていると基本的な構文も忘れるのです……。
使っていて特に感動するのは「キャメルケース」(最初の単語を小文字にし、それ以降の単語の先頭を大文字にする命名規則)から「スネークケース」(アンダースコアで単語を区切る命名規則)などの変換作業です(地味で申し訳ないですが)。コードを書いていると他の場所からコピペすることが多いのですが、単語の区切り方や大文字小文字など、コードごとに形式を合わせるのがとにかく面倒で……。スクリプトを書くほどでもないタスクを一発でやってくれます。素晴らしい!
自分はシェルスクリプトを書くのが苦手なのですが、普段使わない苦手な言語でもCopilotがベースを書いてくれるおかげでものすごく助かっています。
対話した時の感触ではChatGPTが一番好きです。自分の中でモヤモヤと浮かんだ考えを取りあえず話しかけてみて、対話しているうちに新しい気付きがあります。ChatGPTが正しい答えをくれるというよりは、本当に壁打ちの相手としてですね。
ただやはり書き込む情報については気を使うので、最近はTeamsから使えるMicrosoft 365 Copilotへの依存度が上がり始めています。
次回は、Sansanグループ内のAI活用を推進するという人材のAI活用法を紹介する。
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