Googleに音楽サービスは必要なのか?
2月にGoogleが「Google Buzz」を発表したWebキャストを見たとき、実は複雑な気持ちだった。
GoogleがソーシャルWebで実用的なことをするのは素晴らしい。たとえBuzzがGmailをオープンソーシャルグラフにし、プライバシーのエチケットを破ったとしてもだ。
だがBuzzは、インターネット時代のソーシャルサービスの王様であるFacebookやTwitterに対抗するための後追いのようにも思えた。
それと同じように、Googleがオンライン音楽ストアと月額制音楽サービスを構築しているというWall Street Journal(WSJ)の記事を読んだときも、うんざりし、いら立った。同紙は次のように報じている。
Googleは年内に自社の検索エンジンと連係する音楽ダウンロードサービスを立ち上げ、2011年に月額制オンラインサービスを開始する準備を進めていると、同社と音楽業界の交渉に詳しい人物が伝えている。
どうしてGoogleは音楽に進出するのだろうか? 同社は明らかに、AppleのiTunesとiPhoneに対抗するために、Androidスマートフォンのための音楽サービスが必要だと考えている。Appleがモバイル広告プラットフォームの必要性を感じて、モバイル広告技術を買収してプラットフォームを構築したのと同じようなものだ。
Googleがレーベルと契約しているかどうかは誰も知らない。今のところ、WSJの記事を裏付ける証拠の中で最も確かなのは、最近のGoogle I/Oカンファレンスで、デスクトップマシン内のコピープロテクトなし楽曲をAndroid端末にストリーミングできるようにするため、GoogleがSimplify Mediaを買収したと発表したことだ。
その前に、Googleは昨年10月にロサンゼルスで音楽検索Google Discover Musicを立ち上げている。
ソーシャルに向かうことと、Napster、Lala、Appleなどが踏み慣らしたデジタル音楽市場に進出することはまったくの別物だ。
それは分かっている。わたしは約10年前、Napsterや、デジタル音楽市場を合法なものにしようとしたその後の挑戦者たち(PressplayやMusicNetを覚えているだろうか?)を取材していた。
Appleは2001年1月にiTunes Storeを立ち上げ、iPod向けコンテンツの配信企業として道を切り開いた。
WSJによると、Googleも今、そこに踏み込もうとしている。AppleがGoogleのモバイル広告に対抗してiAdを立ち上げたよりも大胆な行動だ。
Appleはデジタル音楽市場を実質的に独占しているが、携帯電話向けディスプレイ広告には独占企業はいない。AppleがiPhone向けの広告プラットフォームを提供するのは賢明だ。AdMobとGoogleを締め出そうとしたのはさらに賢明だ。
Web音楽ストアを構築し、その後ダウンロードサービスを構築するというGoogleの決定は、手を広げ過ぎている企業が、勝ち目のない賭けに出るように見える。
Appleが音楽分野でGoogleをたたきのめしてきた証拠がもっと必要なら、よろしい、教えてあげよう。
Googleが昨年秋に音楽検索サービスを開始したとき、MySpace、Lala、レーベルのEMI、Sony Music、Warner Music、Universal Music Groupと提携していた。
いいアイデアだ。Googleがユーザーに数百万曲を検索できるサービスを提供するのは理にかなっている。だがその後、AppleはGoogleからLalaを奪って閉鎖した。おそらくは独自のクラウド音楽サービスを作るためだろう。
そして傷口に塩を塗り込んだのが、Google音楽検索サービスの責任者で、レーベルとの提携に尽力した製品管理ディレクターのRJ・ピットマン氏が、「Appleでクールなこと」をするためにGoogleを辞めたことだ。
その「クールなこと」には、皆が期待しているクラウド音楽サービスが入るのだろうか? 多分そうだと思う。
Googleが音楽サービスを提供する唯一の理由は、iTunesとAppleが開発するクラウドサービスの気まぐれに振り回されないよう、Android向けの独自のダウンロードサービスとクラウドサービスを確保することにある。
Googleは明らかに、AppleのコンシューマーWebサービスのやり方が気に食わず、独自の道を進む決意を固めている。そして自社の広告を配信できるようWebサービスをコントロールするか、あるいは少なくとも音楽から収益を得たいと考えている。
一部の人は、GoogleはGoogle Checkoutを活性化させるために、音楽ビジネスをやるべきだと考えている。わたしはそうは思わない。
この音楽サービスのうわさや憶測には、嫌な後味が残る。同社にはクールなことをやっている部署が幾つかある。Google Voiceとか、Google Waveとか。
それから、Google Buzzやうわさの音楽サービスのような後追いサービスがある。時間とお金の無駄ではないかと、心配になるサービスだ。とはいえ、同社の銀行口座には250億ドルほどのお金がうなっている。
Appleは音楽市場を囲い込んでしまったとわたしは確信している。Googleはそれを受け入れるべきだ。オンラインのあらゆる場所に手を伸ばす必要はない。
これも、Webの隅々にまで触手を伸ばすGoogle Creepアプローチがうまくいかない一例だ。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
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