創造性を高めるための26の方法、「紙を使った発想法」に続く第2回は、「人に話す・口に出す・言葉にする」手法を使った発想法を8つ解説します。
今回紹介する手法 |
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1紙に書き出す |
2図で表す |
3絵を描く |
4ジオグラフィ |
5人に話す |
6インプロシンキング |
7たとえを使う |
8イメージする |
9タイトルをつける |
10象徴するものを見出す |
11魔法の杖 |
12誰か宛てにメールを書く |
「こういうことをしてみたいと思っているのだけど、どう思う?」と、アイデアを、仲間や友達に言ってみましょう。また、飲み屋のお兄さん、自分の娘や家族など、全然違う業種の人に話してみると、案外、簡単に答えが返ってくることがあるものです。というのも、この業種では常識といわれていることが他業種では非常識、その業種だと未発達だったことが他業種だと発達している、ということがあるからです。
場合によっては、同業他社やライバルに話してみるのも面白いかもしれません。企業秘密もあって、あまり話せないこともあるかと思いますが、思いも寄らないことを言ってくれるかもしれません。ちゃんとした答えではないかもしれないけれど、発想は得られます。
また、話すときに使う脳は、頭で考えるときに使う脳とは違う脳を使っています。話している最中に、「やっぱりこれかな」なんて、一人で納得することもある。つまり、口に出すことが大事なのです。
インプロシンキングとは、インプロビゼイション(=即興)と、シンキング(=思考)が組み合わされた言葉。つまり、即興で考えることです。2人以上で、テーマに沿ったアイデアを順番に即座に言っていきます。
例えば、「自分の好きなもの」を、とにかく絶やさず、順繰りに山手線ゲームのように言っていきましょう。自分の順番がきたら、とにかく即座に言わなければいけません。本来は、ビジネスで求めるべきアイデアを出していくのですが、最初からみんなで深刻に、「●●を売る方法」なんて重いテーマをやっても、そうすぐに出るものではありません。まず練習として、難易度の低い、楽しいものから始めるといいでしょう。
実際にやってみると、簡単なテーマでも意外に難しいのですが、ゲーム感覚ですから楽しくできます。それに、「きちんとしたアイデアでなくてはいけない」という思い込みから自由になれます。
インプロシンキングのいいところは、普段アイデアを出さない人も、必ず出さなくてはならないことと、「こんなくだらないもので、いいんですか?」という気になることです。そう思った瞬間に、アイデアが出やすくなるのです。
ある企業の経営者は、「ウチはベンチャーで、今はセスナ機に乗っているような感じだ。今、いい感じで動いているから、そろそろジェット機に変えたい」と、現状を表現しました。すると、「セスナ機をジェット機にしようとすると、セスナ機に改善を加えてもダメだ。車体自体を変えないといけない」ということがわかります。
こんな風に、状況を何かに例えてみてください。
例えば、「ネットを使ったビジネスモデル」の状況を、Aさんは「賽銭箱」にたとえました。「入れる人はお金を入れて祈っていくけれど、みんなが入れるわけではない」と。すると、賽銭箱がどうなっていけばいいかを考えることができます。みんながお賽銭を入れるようになればいいのか、入れる額が増えるといいのか、あるいは賽銭箱の中が見えることで面白くなるのか。
前述のセスナ機のたとえにしても、一回着陸してエンジンを止めなきゃとか、社長が操縦しようとしてはダメだ、など、発想を広げることができます。
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