神田昌典氏が語る「マインドマップのこれから」

10月に「マインドマップの発明者、トニー・ブザン氏の公認する日本で唯一の団体」として「ブザン・ワールドワイド・ジャパン」が設立された。同社の神田昌典代表に今後の活動について聞いた。

» 2006年11月01日 17時37分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 2006年10月4日に「マインドマップの発明者、トニー・ブザン氏の公認する日本で唯一の団体」として「ブザン・ワールドワイド・ジャパン」が設立された(10月13日の記事参照)。同社の代表は経営者向けの書籍やセミナーで有名な神田昌典氏。神田氏に今後の活動について聞いた。

神田氏とマインドマップの接点とは

ブザン・ワールドワイド・ジャパンの神田昌典代表

 神田氏は「すべてのメモをマインドマップで描いています」というほどマインドマップを愛用している。2000年頃に自分の主催するセミナーで受講者に推薦したところ、Amazon.co.jpでマインドマップ関連書籍の売れ行きが急上昇。このことがきっかけでトニー・ブザン氏が神田氏を知ることになったという。

 「マインドマップ自体は70年代からありますし、日本でも何度かブームがあったようです。でも、私が紹介した2000年頃には『知る人ぞ知る』存在になっていました。日本での何度目かの“マインドマップ・ブーム”は私が作ったと言えるでしょう」

 「私がアメリカ滞在時に最初にマインドマップを知った本は、写真や図が多く、カラフルで『なんてきれいな本なんだろう』と思いました。この本の日本語訳はすでに出版されていましたが、写真などが一部カットされていました。それを私が改めて翻訳したのが『ザ・マインドマップ』です」

「マインドマップ」を教育に生かしたい

 今後の活動について、神田氏は「マインドマップを使った教育に興味を持っています。今までの学習スタイルに向いていなかった、論理より感性のすぐれた『右脳型』の子どもがマインドマップによって学習に興味を持てるようになるのではないか。すでに、マインドマップに興味を持ったPTAなどから講演依頼が来ています」と展望を語った。

 11月26日にはトニー・ブザン氏が来日し、2つのセミナーが行われる。小中学生は無料、保護者は5250円で参加できる「ファミリーセミナー」と、10万5000円でトニー・ブザン氏と夕食を共にする「ディナーセミナー」だ。ディナーセミナーは少々高価だが「ファミリーセミナーだけでは赤字なので、これに対するスポンサーという位置づけです。教育に理解のある経営者層をターゲットとしています」(神田氏)

 また、Webサイトでは公認インストラクターの養成(受講料84万円)とシニア公認インストラクターの養成(同525万円)を行う予定があると発表していたが「応募人数などを見た結果、まずは公認インストラクターだけを養成したいと思っています。『お金を払えばシニア公認インストラクターになれる』というのではなく、まず30人程度の公認インストラクターを養成し、その中で熱意やプレゼン能力などの適性を見てシニアインストラクターに推薦することを考えています」(神田氏)という。

 インストラクターになると、自分のWebサイトに公認インストラクターであることを表示できたり、自分の授業を受けた生徒に認定証を発行できたりする。インストラクターになるには、脳の仕組みまで考えた上でマインドマップを開発したというトニー・ブザン氏の教えを深く理解していることが必要だという。生徒に疑問をぶつけられたときに納得してもらえる説明ができる“教師としてのスキル”が大事なのだ。

 マインドマップのビジネス展開は「マインドマップを使った会議術やネゴシエーション方法などはすでに海外に存在するので、これを日本のビジネスに合う形にして提供することなどを考えています」とのことだ。

 11月21日にトニー・ブザン氏が来日して記者発表を行う。日本における今後のマインドマップ普及活動についても発表する予定だ。

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